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『倫理の危機?』いやいや。
人様に迷惑をかけて生きていけ!

哲学の先生が提示する、現代モラルの根本原理

  • 和良 コウイチ

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2006年11月1日(水)

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「人の心はお金で買える」「お金儲けは悪いことですか?」

 ライブドアや村上ファンドの事件がすでに一昔前のように感じられる昨今、騒動の主人公たちが吐いた威勢のいい言葉も懐かしく感じられる。逮捕後のマスコミの手のひら返しはさておき、世論のバッシングの嵐を見ると、やはり彼らの言動は日本国民のセンシティブなある部分を強く刺激していたのだろう。

 その部分とは“倫理”“モラル”であるとして、見誤ってはいまい。

倫理は「健康」に似ている

 東京から新潟に赴任したばかりの哲学教授である著者が、電車空間のマナーについて憤りを覚える場面から始まる『倫理の危機?』は、「そもそも倫理とは何か」を考える一助になってくれる。

 それこそ東京-新潟間の新幹線片道でちょうど読み終わるぐらいの分量であるこの一冊は、サカキバラや「一度人を殺してみたかった」とのたまう輩など、少年による殺人事件が世間を震撼させていた頃に出版された。「どうして人を殺してはいけないの?」という子どもの問いに対して、大人たちが口ごもったり、「倫理が崩壊した」などと騒ぎ立てたりした時期に、著者は言う。

「倫理はそれが自覚されたときには常に危機なのであって、倫理の危機を大事であるかのように叫ぶことは、倫理のなんたるかを理解していないのを白状したようなものだ」

 ここには、倫理の持つ性格が現れている。倫理は習俗であるから、それが機能しているかぎり自覚されない。たとえば、それは“健康”と似ている。胃の存在は普段意識されないが、キリリと痛み出したときに初めて意識し、同時に、今まで自分が健康体だったことも自覚する。つまり、「自覚されることがあるとすれば、それは旧来の倫理が機能しなくなった時である」。

 我々はいかに倫理という価値を共有していくのか。その点については、〈現実〉と〈仮想〉というキーワードに添って独自の議論を展開している。

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