東京都庭園美術館は、港区の中でも閑静な環境で知られる白金台に位置しています。一時、「シロガネーゼ」(白金婦人)なる富裕な婦人層を指す流行語が誕生し、そのシロガネーゼが歩く通りは「プラチナ(白金)通り」というように、そこはかとない高級感の漂う街として有名です。
さて、今回ご紹介する東京都庭園美術館は朝香宮邸として1933(昭和8)年に建てられた建物をそのまま美術館として活用、公開しています。
戦後は首相公邸、迎賓館として使われてきましたが、1983(昭和58)年に美術館として新たな道を歩み始めました。また同館は建築史上においても大変に貴重な建物で、1993(平成5)年には東京都有形文化財にも指定されています。
現在開催されている展覧会では建物自体を美術品として捉え、“幻の建築”“アール・デコの美術品”などと称される旧朝香宮邸の建築・内部装飾の魅力を余すことなく堪能することができるように企画されています。
アール・ヌーボーを否定したアール・デコ様式
それでは同館の設計コンセプトである“アール・デコ様式”とはどのようなものでしょうか。
「アール・デコ」という言葉は、1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(Exposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels modernes)の略称に由来。Arts Decoratifs(アール・デコラティフ)を略して「アール・デコ」と呼んだのがその始まりです。
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この「アール・デコ」は、1910年代〜30年代のフランスを中心としてヨーロッパを席巻した工芸・建築・絵画・ファッションなど各分野に波及した装飾様式の総称ともなっています。
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