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下位企業の現実、ああ、『南海ホークスがあったころ』

ビジネスの成功理論にのれない“多勢”の役割を考える

  • 漆原 次郎

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2006年10月11日(水)

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 ビジネスの世界、多くの人の目はついメジャーな企業の動向に注がれがち。新聞を見れば、業界1位と2位の熾烈なシェア争いが大見出しで扱われ、本屋を覗けば、リーディングカンパニー経営の鉄則なんていう本が並んでいる。

 でも、あらためて言うまでもなく、業界をリードする立場にある企業は、ほんの一握り。あまり名が知られず下位に甘んじている企業のほうが、数の上でははるかに多いのだ。

下位企業の現実をあえて直視しよう

 だとしたら、そんな“多勢”のほうにも、見ておくべきビジネスのリアルな姿があるのではないだろうか。成長できない理由とか。経営の厳しさとか。上位企業が“目指すべき理想モデル”だとすれば、下位企業は“無視できない現実の姿”になる。

 下位企業の現実も、あなたの好きかもしれないプロ野球が舞台なら、興味をもって直視することができるのでは? 

 そうした観点から、『南海ホークスがあったころ』をお薦めしたい。本書はスポーツ文化だけではなく、スポーツ経営の面からの野球史もしっかり捉えた一冊だ。著者の2人は、社会学と工学の学者であり、南海ファンでもあった。

 孫さんがオーナーのソフトバンクホークス。その前身は中内さんのダイエーホークス。南海ホークスは、そのまた前身にあたる。1988年まで、なんば駅のすぐ横にあった大阪球場を本拠地としていた。

苦肉の策は敵に笑われ、味方に呆れられ…

 南海ホークスの成績はBクラスに終わることが多く、スター選手も少ない。所属していたパ・リーグも、長年「人気のセ、実力のパ」と言われ、そのマイナーぶりが暗に揶揄されていた。看板選手だった野村克也(現・楽天監督)が、自分のことを喩えた言葉「目につかない所でひっそりと咲く月見草」には、当時の置かれていた情況が集約されている。

 本書でも、南海ホークスやパ・リーグが取り憑かれていた暗い時代が、「閑古鳥の巣(第6章)」「パ・リーグ哀歌(第5章)」といった章題のもとに綴られている。だが、こうした物悲しくなるような話からこそ、巨人や阪神などの、“業界”をリードする一握りの“企業”ではない、その他“多勢”の、ビジネスのリアルな姿が浮かび上がる。

 人気も実力も落ち、企業としての“衰退期”を連想させる南海ホークスの晩年。“成長期”の輝きを取り戻すべく「人気の衰えた球団の苦肉の策」の数々が披露される。

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