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娘よ、“金持ち父さん”にはならないぞ

『会計士の父が娘に贈る32+1の手紙』の著者に聞く

  • 中村 均

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2006年10月18日(水)

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 ライブドアの手法がもてはやされ、株式投資や、一攫千金のIPO(新規株式公開)を目指した起業で沸いた頃――。その時期にベストセラーだったのが『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房刊、ロバート・キヨサキ著)だった。

『会計士の父が娘に贈る32+1の手紙』(新風舎刊)山田侑著 1400円(税込)
『会計士の父が娘に贈る32+1の手紙』(新風舎刊)山田侑著 1400円(税)

 確かに、この本は金持ちになるための考え方を示したかもしれない。しかし、日本がここ数年の間、手本としてきた米国では、ひと握りのスーパーリッチが闊歩する一方、多くの人々は低所得にあえぐ超格差社会に陥っている。現実を目の当たりにした今、“金持ち父さん”に共感できる人はどれだけいるだろうか。

 そんな中、人とお金の根本的な関係を、温かみのある語り口で解説した本が登場した。『会計士の父が娘に贈る32+1の手紙』(新風舎刊)だ。

 著者の山田侑(やまだ・ゆう)氏は、大手会計事務所の公認会計士として、上場企業をはじめ、数々のエンターテインメント企業を担当してきたほか、自らもベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)、CEO(最高経営責任者)としてIPOに導いた経験も持つ。華やかな世界で大きなマネーディールにかかわってきた山田氏が、父親として自分の娘に向けた形で、お金とのかかわり方についてのメッセージを綴っている。

 友人との間のお金の貸し借りをはじめ、質屋と消費者金融の根源的な違い、“お金が死ぬ”ことになっても自分の家を持つことの効用、“子孫に美田は残さず”という考えの根底にあるものなど、それぞれの話は示唆に富む。著者の山田氏にこの本について話を聞いてみた。

山田侑(やまだ・ゆう) *ペンネーム
1963年生まれ、現在43歳。公認会計士。父の事業失敗を契機に公認会計士を目指す。大手会計事務所に勤務し、国内並びに米国などの大手エンターテインメント企業を数多く担当する。その後、役員として企業の経営に携わる。現在はその経験を生かして大学でも会計や経営について教壇にも立つ。


-- この本を書こうと思ったきっかけについてお聞かせください。

 会計士というお金を扱うプロでありながら、個人とお金の関係を家庭でどう教えていくべきか悩む出来事が、ほぼ時を同じくして3つありました。

 1つは娘の友人のお父さんがご商売で失敗したことです。その結果、それまで住んでいた家を失い、別の場所に引っ越すということがありました。娘から、「彼女はどうして引っ越さなければならないのか。それもとても狭い家に」と質問されて、私は返答に窮しました。

 もちろん、大人同士であればストレートに事実を伝えればいいわけですが、当時の娘はまだ“こども”と言える年齢。かといって私の説明が曖昧だと、話が誤解して伝わり、結果的に彼女の友人関係に問題が発生する恐れがありました。

「必要額以上に貸し付けてやった!」と喜ぶ人を見て

 一方、妻は私とは異なる理由で、彼女に説明することを躊躇したようです。私は地方の小さい町の出身で商売人の息子でしたから、こういう事例はよく見てきました。また、それぞれの家庭で何かが起こると、「タバコ屋の親父に、あそこの家のことを聞いたんだけど・・・」という具合に、住民の生活事情はかなりオープンに伝わっていく環境でした。しかし、妻は東京の新興住宅地でサラリーマンの娘として育ってきたため、他人の家庭の事情に踏み込んで、それを語るということには慣れていなかったわけです。

-- 2つ目、3つ目の出来事はどんなことだったのでしょうか?

 次の出来事は、家族で電車に乗っていた時のことです。我々家族の近くに若いカップルが腰掛けていました。はつらつとした様子で会話を交わす2人は微笑ましく、私も思わず、かつて妻と出会った若かりし頃に思いをはせていました。そのとき何の気なしに、彼らの会話が耳に飛び込んできました。

 どうやら2人は仕事の話をしているようで、消費者金融会社で働いていることが分かりました。そして、ニコニコとしながら話し合っている内容は、その表情とは裏腹に「うまいセールストークで、当初の申し込み金額以上に貸し付けてやった」という具合に非常にえげつないものだったのです。

 そして、3つ目の出来事が、『金持ち父さん貧乏父さん』のベストセラー現象でした。私も会計士のはしくれですので、お金関係で話題となっている本だというので、手に取って読んでみました。けれども、ここで語られている内容にはあまり共感できませんでしたし、むしろ正直なところ、何でこの本をあれほどまでに皆がありがたがるのかが理解できませんでした。そんな状態でしたので、読後しばらくの間、すっきりしない日々が続きました。

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