「デジタルエンタメ天気予報」

大人が増えれば、ゲームビジネスの条件も変わる

「面白いかどうか」はもはや最優先事項ではない

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2006年10月27日(金)

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PSPと、専用GPSレシーバー

 いま、テレビゲームの評価軸は、ゆるやかに変化しています。

 大げさにいうならば、個人がプレイしたときに「面白いかどうか?」という判断は、かつてほどの価値を持たなくなっていくのだと考えてください。

 いま、全世代に向けて、音楽を楽しんでもらえる製品を作ろうと考えるのならば、より優れた音質のオーディオ機器を作ろう! という考えではダメでしょう。多くの消費者――とくに大人たち――は、もはやリビングルームで音楽をじっくりと聞く時間が持てません。仕事もあるし、家族サービスだってしなくてはならない。だから現時点で、もっともヒットしている音楽再生機器は、ちょっとした時間に気軽に楽しめるiPodになりました。音質を高めることよりも、より気軽に音楽を楽しめる環境を作れるマシンが、時代の勝者になっているのです。

時間がない環境が勝負を決める

 テレビゲームでも、まったく同じことが起きつつあります。ゲームファンは、音楽を楽しむ人よりも平均年齢が低いため、まだ顕在化していないだけのことなのです。

 ゲームファンの中には、ゲームにたっぷりと時間を取れない人が、かなりの割合を占めるようになってきました。このため、ユーザーの判断基準は変化しつつある。どんなに面白いゲームがあったとしても、それが10時間プレイしないと楽しめないようなゲームであれば、「面白そうだけど、オレには遊ぶ時間がないからなぁ…」と二の足を踏まれるようになっているのです。そんな心境になった経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか?

 だからグラフィックが優れていて、腰を据えてじっくり遊ぶと抜群に面白いゲームは、かつてほどの売り上げを稼げなくなってきました。代わりに、大人世代に向けた、どこででもちょっとだけ遊べるソフトをズラリとそろえた、ニンテンドーDSがヒットしているのです。

 当コラムでは、何度となく「これからは携帯ゲーム機にこそ注目すべき」といった主張をしてきました。携帯ゲーム機は、ゲームに割ける時間がなくなりつつあるユーザーにも、気軽にゲームを楽しめる環境を作れるマシン。だからこそ、大作が目立つ据え置きゲーム機から離れてしまったユーザーが、携帯ゲーム機の普及を機に、ゲームファンに回帰してきたのですね。

 かくしてニンテンドーDSは爆発的な人気になりました。

 そして、その陰に隠れて不調に思えているプレイステーション・ポータブル(PSP)ですら、わずか2年でゲームキューブの累計販売台数を抜こうかという勢いで普及しています。ゲームビジネスの本流を知りたいのなら、こちらをチェックする必要があるのです。

年末年始の携帯ゲーム機の動向

 では、現在の携帯ゲーム機の動向を、あらためてチェックしておきましょう。まずはPSPから。いまなお爆発的なヒット作はないものの、なかなか無視できないマシンになりつつあります。

 とくに最近は、やっとPSPならではのソフトが出てきました。

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著者プロフィール

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

野安ゆきお

1968年生まれ。ファミコンの時代から、テレビゲームの関連記事・単行本の執筆に専念。製作に参加したゲーム攻略本・ゲーム関連書籍は100冊を超え、プレイしたゲームは1000本を超える。

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