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NB Online(=NBO) Web2.0は「人々がモノ・情報交換をすることが当たり前」という前提で技術、サービス論が進んでいるように見えます。この点がウソっぽさ、というか違和感があります。
糸井 ウソだとは思わないけど、インターネットで起こっている今っぽい現象を説明するのに、今っぽい言葉で説明しても、結局、人体と合わないんだと思うんですよ。アメリカ人が2.0のコンセプトを最初に言った。それで、ちょっと調べて見てたら、定義があるわけじゃない・・・。
当たり前ですよね。あれは昔、ヒップとスクエアに分けたのと同じで、こっち側に何を入れて、こっち側に何を入れようか、という(議論で、新しい概念を説明する)ことなんだよね。
NBO アメリカ人の好きな言葉、2分法か。「1」と「2」があれば、「どっちだよ」って考えたくなる。INとOUTもそうでしたね。これからの時代、トレンドを示す「IN」と「もう古い」という「OUT」。
糸井 実は、僕は3回OUTに入れられたという誇りがあるんですよ。(笑)
NBO もちろん時代が違うんですよね。
糸井 時代時代で、その都度「もう、あいつじゃない」と言われたんです。
1回目は正直言って腹が立った。だけど、2回目の時には、それってすごいなと思って。また見た時には、「ああ、俺、これで生きていこう」と思ったんです。(笑)
取り上げられながら、何度も何度もあいつじゃないと言われている。というのは最高ですよね。それがいいと思った。この芽を育てていこう、って。
新しい概念が生まれた時に、新しい尺度じゃないと語れないものは、やっぱり無理があるんですよ。体で言えば、神経の突出した部分では説明できることなんでしょうけど、脳を含めた肉体にそぐわないものは、理解されないし使えない。死んじゃうんだと思うんですよ。
俯瞰できると神になったような気がする。でも、違うんだよね
今、AI(人工知能)という概念を誰も語らなくなりましたよね。この間、『A.I.』という映画の子役の話題が出て、ふと思い出したんです。あ、誰も使わないなって。
AIについての研究は今もしているんですよ。でも、テクノロジーとしてのAIは、いろんな分野で取り入れられている。だからもう「AI」という形だとか姿をしてなくてもいいんですよ。あれは語るための言葉だったけど、使うための言葉じゃなかったんですね。
同じように、Web2.0も1.0の違いは何か。「みんなとの情報の交換がしやすくなった」とか「情報を発信している無数の点、その点滅している状態を俯瞰できるようになった」と言いますよね。俯瞰できるとね、まるで自分が神になったような気がするんです。
でも、実際は、事実は俯瞰なんてできない。1点ごと見ていくしかないんですから。
だったら、さっきの「キリストとソクラテスの話」じゃないですけど、「肉体・ボディー」に近いところで考えていかないといけない。
ネットって何ですか、と聞かれれば、みんな「情報交換の話、交換の市場です」と答えますよね。では、市場って何んだろう、と。
そこでね、僕は最近、歴史家の網野善彦さんの本をまた読み返しているのですが、面白いのは、もともと「市」が立った場所って、人々がマージナルな神の場所と考えていたところだったんです。
つまり、市場の「場」は人間の範囲じゃなくて神の範囲。その「市」は良い神、悪い神、悪霊、怨霊、この世のものでないものが仕切っていた、と考えられていた。
人々は人間社会ではない場所にモノを持ち込んでは「この場所で起こることは、俺らのせいじゃないです」と言って交換を成り立たせていたんです。
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