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【第1回】自己診断が作り出す「エセうつ」が増加

  • 小野 繁,江木 康人

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2006年11月22日(水)

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 現在の社会はストレス社会だと言われて久しいのですが、これが諸悪の根元であるかのように言われることもしばしばです。そのような中で、最近の傾向として、環境要因、いわゆるストレスによって生み出される「うつ」の数が大幅に増加していることも事実でしょう。おそらく、内因性「うつ」の人の数にはあまり変化はないと思われますが、心因性の「うつ」の数のあり様に変化が生じているのものと推察されます。

 日本、欧米を問わず、疾患としての「うつ」は現在開発された抗うつ薬である、SSRIやSNRIがよく効くとの報告がなされております。うつ状態から、社会復帰ができる一歩手前の状態までは改善できるのです。ここまでは医師の力、医師の処方する抗うつ薬で治せるといっても過言ではありません。

(注)SSRI、SNRIはともに抗うつ薬の一種。SSRIは「Selective Serotonin Reuptake Inhibitors:選択的セロトニン再取り込み阻害薬」の略。シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状を改善。SNRIは「Selective Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors:選択的セロトニン・ノルアドレナリン再吸収抑止物質」の略。シナプスにおけるセロトニンとノルアドレナリンの再吸収に作用することでうつ症状を改善する。

 こうした治療経過の中で、病気としての「うつ」の部分が薬物療法で治療効果があらわれ、「病気は治りましたよ」と言っても、患者さんの立場になれば、あまりにもつらかった「うつ」の延長線上にまだお立ちになっていて、本心『私はもっと良くなっていいはずでは?』と言う気持ちが拭えない人が多い。

kaifuku
「うつ」からの回復には踊り場がある

 「うつ」という病気は一度「うつ」の谷間に落ちると、ここから自力で脱出こともできるのですが、抗うつ薬を使用することで、いっそう早くこの谷間から一歩一歩登っていくことが可能になります。

 その一方で、図のように「うつ」の谷間には最後のひと登りをするところに「踊り場」がある。実にこの「居心地のよい」場所で、一休みすること人も多く、まさにこの場所こそが、薬物療法によって治ったと考えられる病気の「うつ」そのものとも言えます。いったん「うつ」の谷間に落ちた人はこの最後の「踊り場」から上がれない人、自ら上がろうとしない人が多いのです。

 この場所は長い登坂の終わったところで、なるほどゆっくりと過ごしたくなるのでしょう。もっと長くいれば気分も体力ももっといい状態になると思いこんで、長居をする人もいることでしょう。しかし医学的にはこの時点で「病気のうつ」そのものは治っていると考えてよい。

 さて、この状態は周囲からみれば『病気が治った様に見えるが、どこの具合が悪いのだろう?』と映るわけです。病気は治ったのに、患者さん本人が治っていない状態であったり、意識的に治ろうとしていない状態であったりするのがこの時期なのです。

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