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「ほぼ日」は広告収入で喰っている、という誤解があるらしい。全然違うんだよね。

イトイさんに聞く「Web2.0」(その4)

2006年12月1日(金)

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えー、「超インタビュー」の第4弾の始まりです。今回は糸井さんの本業である「広告」のお話です。ネットマーケティング時代の広告手法、糸井さん自身が「先読み貧乏」になった話、そして、ほぼ日のビジネスモデルへと展開してまいります。今回の話には先読み貧乏やら、草鞋職人といった、これまでのインタビューで登場したキーワードが出てきます。1回目からご覧頂くと一層、ご理解が深まるかと存じます。では。


今回のインタビュー映像です。こちらも併せてご覧下さい

 NBOnline(=NBO) 今回、糸井さんに伺いたかったことの1つに「広告」の話題があります。インターネットが広まった頃、「ネットの普及で広告ビジネスが縮小する」というストーリーがありました。大企業だけではなく、陶芸家さん、草鞋の職人さん(イトイさんに聞く「Web2.0」(その2)の記事へ)までお客さんがネットで直接対話できるようになってきた。となると、マスに向かって発信する意味が薄れるので、広告ビジネスは縮小していくのではないか、という予測がありました。

糸井 ありましたね。

NBO ところが、2001年のネットバブルの崩壊も経て、経験値を積み上げ広告手法も多様化してきた。広告ビジネスは拡大しています。一方、事業はどうでしょう。仮に事業をネットで始めようにも、多様化してきた広告モデルに頼るか、アマゾンのようなeコマースがある程度です。それで、伺いたいのが、広告畑出身の糸井さんが、今の広告ビジネスの変化をどう見てるのか、ということです。

今の広告業界にはお客さんのことはもう分かっているという幻想がある。

糸井 広告って、ひとつの仕事として「集合を狭めること」があるんです。

 昔は、広告をお客さん側から考えた方が説明しやすかったんです。人はたくさんいるけれど、その中でも「今度はこんな商品が欲しい」、「もっとあんな機能があるといい」と考えている感度の高い人たちがいる。そんな人たちの要求に答えるには、どんな商品がいいのか、どんな伝え方をすれば届くのか、企業も広告代理店も一緒になってお客さんを出発点に考えていたんです。これが集合を狭めるという意味だったんですね。

 でも、今は、みんなが「売り手」側を向いているんです。売り手というのは広告主です。トヨタ自動車のクルマや新人の女優さんを抱えたプロダクションといろいろあります。そこで、広告業界の人たちが広告主さんたちに向かって「御社のCMはこのアイドルを起用します」とか「ドラマに合わせてクルマを出します」と説明するのが仕事なんです。極端に言えば、「売り手」をいかに狭めるかなんですね。

NBO なぜですか。

糸井 お客さんが、トヨタからアイドルの広告まで全部見られないからですよ。だったら、自社の広告を見てくれる人に効率的に伝えるにはどうすればいいのかが関心事になっていきますよね。

 それに加えて、どこかに「幻想」を抱いているんですよ。お客さんは「無限」にいるし、何処にいるかもすべて分かっている、と。

NBO お客さんのことは分かってる?

糸井 グーグルアース(Google Earth)というソフトがあるじゃないですか。あれは地球の様子、各国の上空の様子を、まさに神の視点から見せてくれます。あれを見ていると、宇宙旅行から眺めている気になりますよね。あれと同じで、世の中にはたくさんの人間がいるけれど、一人ひとりの行動も俯瞰できるようになったと思ってしまっているんですよ。これは技術が進化してきたからです。

NBO A社さんの商品に関しては、このあたりに買いそうな人たちがいると考えて広告を出すことはできる。B社さんの商品なら、このあたりだろうと予想できる。確かに、昔よりも小さなターゲットに向けて、広告を出し続けることはできるようになった・・・。

糸井 空から下界に向けて、広告という無数の細い糸を垂らしているような状態ですね。

 でも、地球の地図は大きいんですけど、古代から人は同じような場所に住み続けています。それと同じで、やはり、みんなの心に響くものはありますから、人はどこかに集まってくると思うんです。いずれはお客さんも共同体みたいなものを求める、とは思っています。

NBO お客さんは「このあたりにいる」と思って広告を出せるようにはなったけど、それが、消費者が本当に欲しいものか、消費者の心にまで届いているのかは分からない。お客が本当に求めている物かは見えない。結局、もとの手法に戻ってくる可能性はある。

 ただ、今の処は、広告を大量に出し続ければ、どこかで当たるだろうという期待もあるし、企業としての効率はいいから続ける。広告と言いながらも全然、視点が違いますね。ルールが変わったのかな・・・。

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「「ほぼ日」は広告収入で喰っている、という誤解があるらしい。全然違うんだよね。」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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