• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【第2回】「ワーキングアパシー」から立ち直れない

  • 小野 繁,江木 康人

バックナンバー

2006年12月19日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今回から、具体的な症例をいくつか挙げて前回触れた「エセうつ」あるいは「うつモドキ」とはどの様な状態にある人かを皆さんにご紹介していきたいと思います。一口に「エセうつ」といっても、それを示す人々の発症過程にはいくつかの違いがあるのです。

 かつて本当に「うつ」だったが、うつ状態の症状である、やる気のない状況から抜け出られない場合。あるいは意図的にその状態から抜け出ない、いわゆる疾病利得(※1)と言われる状態、これが「エセうつ」を作り出しているように思えます。この様な生活姿勢は「ワーキングアパシー」(※2)と呼べるかも知れません。

※1 病気になることでいろいろなことから保護されている状態。意図的な場合もありうる。 ※2 筆者の造語。あるきっかけで労働意欲を無くしたが、それでいて労働以外の活動は可能である状態。    類例:スチューデント・アパシー。 学生に勉強する意欲がなく、勉強以外の活動、例えば授業をサボるようになり、サークルやアルバイト、パチンコや麻雀などには人一倍打ち込むなど。

 具体例で見ますと、病院を訪ねて来られたときには、本人は間違いなくうつ症状を示しており、「うつ患者」としての診断基準を満たしていると診断されるのです。しかし治療が進むにつれてうつ症状は改善されてきたと思われるにもかかわらず、治療終結へ向けての社会復帰への第一歩に問題が生じるケースがあるのです。

 医師は、患者さんを「うつ状態」の診断のもとに治療を進め、うつ状態は改善されたにもかかわらず、最後に残った社会復帰への意欲がみられない。これは、どうやらその人が「エセうつ」と思われる状態に落ち込んでしまったようなのです。

 うつに限らず、あらゆる病気にとって患者の治療、回復が最も重要なのは間違いありません。一般に身体だけの病気では、治療終結と共に社会復帰への意欲があれば身体を日常生活へと慣らして行くことで、復帰はさほど問題は起こりません。

 しかし、うつに関しては治療終結と共に考えなければならない社会復帰の道への誘導が難しいのが現状なのです。

 うつ病、うつ状態が治ったあと、自己責任による社会復帰ができないという状況が、よくみられます。うつの谷間に落ちた人々が治療によってその谷間からはい上がり、もうほとんど治ったと自他共に認める時期は、限りなく正常に近い状態なのです。

 そこにはとても居心地の良い休み場所があるのです。病気であることは医師も診断し、会社もそれをもとに長期休暇を認めていますので、本人もこれを十二分に享受しているわけです。

 となると、「復帰」は本人の意思ややる気、責任感次第となりました。ですがここで問題なのは、社会復帰がその人の意志に任されており、その訴えの「やる気が出ない量」を測定できないため、どのレベルであるかを明確に示すことができないことです。つまり、これなら会社に行けますと強制することが難しいのです。

コメント12

「本当の「うつ」を見抜けますか?」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック