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グラミン銀行を作った『ムハマド・ユヌス自伝』の志

「格差社会」が天国に見える世界で戦い抜いた男

  • 荻野 進介

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2006年12月13日(水)

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 今年も残りわずかとなったが、この1年、メディアを席巻した言葉のひとつが「格差社会」だ。しかし考えてみれば、日本という豊かな国の「格差」論議など、最貧国、国民の4割が飢えに苦しみ、毎日の食事も満足に摂れないバングラデシュから見れば、コップの中の嵐にしか見えないのではないか。

 著者ユヌスはバングラデシュ人で、今年のノーベル平和賞受賞者である。彼は、マイクロクレジットという担保なしの少額貸付を行うグラミン銀行を自国で創設し発展させた。

地球上から貧困を絶滅させよ

『ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家』 ムハマド・ユヌス&アラン・ジョリ、猪熊弘子訳、早川書房、2000円(税抜き)
ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家』 ムハマド・ユヌス&アラン・ジョリ、猪熊弘子訳、早川書房、2000円(税抜き)

 1978年、一貧村に設けられたちっぽけな銀行は、1086もの支店と1万2000人以上の行員を抱える巨大銀行に成長した。行員の給料は政府職員と同額、応募者は毎年数千人という就職超人気企業でもある。しかも、この手法は途上国だけでなく、アメリカやフランスといった先進国を含め、世界58カ国に広がっている。

 ユヌスの本職は経済学者である。アメリカで博士号を取って帰国し、大学で教えていたが、多数の死者を出した大飢饉をきっかけに、自分が奉ずる経済理論の無力さを痛感、貧しい村の中に入って学び直すことを決意した。

 そこから自伝が始まるのだが、子供時代のエピソードや留学の話、妻との出会いや別れ、子供のことといったプライベートな部分はごくわずかだ。ページの大半に費やされているのは、銀行誕生の背景であり、途上の困難であり、思わぬ喜びや発見であり、「地球上から貧困を追放したい」という熱いメッセージである。

 マイクロクレジットとは、「貧乏人に金を貸す」ということである。ユヌスは書く。「マイクロクレジットとは、これまで墜落して腐りかけていた列車の最後尾の車両に載せられていた乗客全員に経済というエンジンを与えること」。誰もが考えられる単純なことをなぜ誰もできなかったのか。ユヌスの成功のポイントを抽出してみよう。

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