「データで読み解く、日本人のひみつ」

昼休みにビールを飲んだことありますか?

真面目になる日本人と定年、そして成果主義

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2006年12月6日(水)

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 あまり大きな声では聞けませんけれど、会社の昼休みにビールを飲んだことはありますか?

図1 素面の人
図1 素面の人
出所:博報堂生活総合研究所「生活定点2006」。同調査は1986年から隔年で実施しており、今回(2006年)は首都圏と阪神圏の合計3293人に、日本人の様々な意識、価値観、ライフスタイルなどの変遷を調査している。以下のグラフは同じ調査による。

 ひそひそと聞いたのには理由があります。「昼休みにビールなんて、飲んだことがないよ!」という生活者が増えているからです(図1)。博報堂生活総合研究所が隔年で実施している「生活定点」調査で、「昼休みにビールを飲むことは非常識だと思う」という回答は、1996年からずっと上昇していて、今年はついに9割を超えました。これは“思う”だけでなく実際の行動にも表れています。「昼休みにビールを飲んだことがある」という生活者は、この10年間下降を続け、ついに6.5%に落ち込んだのです。

 業界にもよりますが、かつては会社の昼休みにビールを飲むという風景はそう珍しいことではなかったように思います。それも今は昔。この数年、日本人の労働意識は、ものすごく真面目な方向に向かっているようです。読者のみなさんの中で、昼休みにビールを飲んだことのある方は、ご注意下さい。調査結果によれば、あなたはかなりの少数派のようですから。

努力と年功序列の再評価が始まる

図2  運やツキより努力
図2 運やツキより努力

 ビールの例が象徴するように、日本人の勤労意識はこの数年で変化を遂げつつあります。例えば“努力”に対する意識。「世の中、運やツキよりも努力だと思う」と答える生活者は少しずつではありますが増加傾向にあり、今年の調査では前回調査から2.7ポイント増加して66.0%になりました(図2)。「基本的に仕事が好きな方である」と答える生活者は同じく3.2ポイント増えています。

 少しずつ景気回復を実感するようになり、生活者は仕事に対してポジティブな意識を持てるようになっているのでしょう。1990年代の不景気で厳しい時代に鍛えられたおかげで、運やツキを期待しても無駄で、自分で努力するしかないと、腹を決めたとも言えるかもしれません。

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著者プロフィール

原田 曜平(はらだ・ようへい)

原田 曜平

慶應義塾大学商学部卒。博報堂ストラテジック・プランニング局、博報堂生活総合研究所を経て、2007年より研究開発局・研究員となる。2003年JAAA(日本広告業協会)広告賞・新人部門受賞。専門は日本と中国の若者や、富裕層の研究など。共著に『モノの意味事典−monom−』(博報堂)、『10代のぜんぶ』(ポプラ社)、日本の富裕層を分析した『黒リッチってなんですか?』(集英社)、『ニューリッチの成功法則―目指せプチ富豪!年収2000万円突破で世界が変わる!』(東洋経済新報社)がある。2006年11月〜07年8月まで「データで読み解く、日本人のひみつ」を好評連載。



このコラムについて

データで読み解く、日本人のひみつ

今、生活者は何を考え、何を求めているのか。“時代の気分”を探ることは、ビジネスチャンスをつかむために欠かせない要素の1つです。このコラムでは、生活者を観察する新進気鋭の若手研究者が、生活者調査のデータやインタビューなどから読み解いた、マーケティングに効くちょっといい話をお届けします。

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