(前編に戻る)
本棚に納められたビジネス書には無数のアンダーラインが引かれたり、付箋が貼り付けられたりしている。行動したことを本で確認すれば、より自信を持って次の行動ができる――今年で72歳の篠原氏は、一貫して行動型読書スタイルを続けてきた。
仕事が忙しすぎて、たくさんは読めませんけどね。新聞の広告欄を見て面白そうだと思ったり、出版社や著者の方が会社宛に送ってくれた本を読むぐらいですよ。
付箋を貼ったり、蛍光ペンを引いているのは、具体的な状況は忘れてしまったけど、内容に共感したり、経営に役立ちそうと思った部分です。ジャック・ウェルチの『わが経営』は、後継者を選ぶ場面が印象に残っています。やっぱり会社は『人』だということをあらためて実感しました。
ただし、最近では、どんなに共感した本でも読み返すことはほとんどない。感銘を受けた松下幸之助の著作さえもすでに手元にはない。物欲が少なく、何事にも執着しない篠原氏の信条が垣間見える。
こだわりの少ないシンプルな私生活と同様に、会社経営でも虚飾を嫌う。必要な投資は大胆に行なうが、経費節減は徹底的に行なうのが篠原流だ。
オフィスに余分なスペースがあると、もったいないなと思ってしまうぐらいです。私は「ヤドカリ経営」と呼んでいるのですが、自分たちの規模に合った場所で一生懸命働いて、どうしても窮屈になったら移ればいいんです。立派なオフィスで働くのは気持ちがいいけれど、働く人の気持ちが緩んでしまっては意味がありませんから。
必要だと思って何度読んでも頭に入らない経営ノウハウ本もある。でも、これも松下さんの本から学んだことですが、経営者は「お金の出と入」をしっかり押さえておけばいいんですよ。
「出」に関して、ちょっとでも気を許せば赤字になっちゃう。りんごも傷んだ部分を放っておいたら、やがて全体が腐ってしまうのと同じです。まめに傷んだ部分を取り除いておけば長持ちするでしょう。小さなことの積み重ねが大切なんです」
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




からのご案内




