「社長の本棚」

篠原欣子テンプスタッフ社長(後編)
〜実践してこそ、本に「なるほど」と思える

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2006年12月13日(水)

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本棚に納められたビジネス書には無数のアンダーラインが引かれたり、付箋が貼り付けられたりしている。

 本棚に納められたビジネス書には無数のアンダーラインが引かれたり、付箋が貼り付けられたりしている。行動したことを本で確認すれば、より自信を持って次の行動ができる――今年で72歳の篠原氏は、一貫して行動型読書スタイルを続けてきた。


 仕事が忙しすぎて、たくさんは読めませんけどね。新聞の広告欄を見て面白そうだと思ったり、出版社や著者の方が会社宛に送ってくれた本を読むぐらいですよ。

 付箋を貼ったり、蛍光ペンを引いているのは、具体的な状況は忘れてしまったけど、内容に共感したり、経営に役立ちそうと思った部分です。ジャック・ウェルチの『わが経営』は、後継者を選ぶ場面が印象に残っています。やっぱり会社は『人』だということをあらためて実感しました。

篠原欣子 テンプスタッフ社長

 ただし、最近では、どんなに共感した本でも読み返すことはほとんどない。感銘を受けた松下幸之助の著作さえもすでに手元にはない。物欲が少なく、何事にも執着しない篠原氏の信条が垣間見える。

 こだわりの少ないシンプルな私生活と同様に、会社経営でも虚飾を嫌う。必要な投資は大胆に行なうが、経費節減は徹底的に行なうのが篠原流だ。


 オフィスに余分なスペースがあると、もったいないなと思ってしまうぐらいです。私は「ヤドカリ経営」と呼んでいるのですが、自分たちの規模に合った場所で一生懸命働いて、どうしても窮屈になったら移ればいいんです。立派なオフィスで働くのは気持ちがいいけれど、働く人の気持ちが緩んでしまっては意味がありませんから。

 必要だと思って何度読んでも頭に入らない経営ノウハウ本もある。でも、これも松下さんの本から学んだことですが、経営者は「お金の出と入」をしっかり押さえておけばいいんですよ。

 「出」に関して、ちょっとでも気を許せば赤字になっちゃう。りんごも傷んだ部分を放っておいたら、やがて全体が腐ってしまうのと同じです。まめに傷んだ部分を取り除いておけば長持ちするでしょう。小さなことの積み重ねが大切なんです」


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著者プロフィール

大宮 冬洋(おおみや・とうよう)

フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。『日経ビジネスアソシエ』、『プレジデント』、『食彩浪漫』、『きょうの料理ビギナーズ』、『dancyu』などで執筆。著書に、『30代未婚男』、『ダブルキャリア』(ともに共著/NHK出版)がある。最近の課題は「自炊」。食生活ブログをほぼ毎日更新中。



このコラムについて

社長の本棚

社長の本棚――。そこには通常のインタビューからだけでは伺い知れない、社長の素顔が隠れている。幼少時代の愛読書、人生を変えた1冊、経営者としてのバイブル本、意外な趣味の書…、ふだんはなかなか覗くことのできないあの社長の本棚をこっそり拝見!

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