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Wiiのソフトの売れ方は“異常”

ゲームビジネスの常識がまた覆る

2006年12月8日(金)

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 12月2日。Wiiは日本市場に姿を現しました。出荷された35~40万台程度が初日完売、3週間前に発売されたプレイステーション3の累計販売台数はもちろん、およそ1年前に発売されているXbox 360の累計販売台数も軽々と抜き去り、両者にダブルスコア以上の差をつけることに成功。昨今のゲームビジネスではめったに見られない完勝劇を演じてみせました。 

 販売当日の大手量販店の前には長蛇の列が作られ、店舗によっては深夜の時点で予定人数に達し、整理券が配布されました。特定の店舗だけで比較すると、PS3の販売時のほうが行列が長かったのですが、これはPS3が特定の店舗のみに大量販売され、限られた店に購買者が殺到したために起きた現象。Wiiは、各店舗に一斉に行列が作られているため、それぞれの行列は少なくても、そのエリア全体では、より多くの人たちが行列に参加していた計算になるでしょう。

 またPS3の行列とは違い、小さい子供を連れた家族連れなど、ごくふつうのゲームファンが目立ちました。外国人の姿はきわめて少なく、転売屋と思しき人たちも少なかったようです。これは今後もWiiが潤沢に出荷されるとアナウンスされており、転売のメリットが少ないと推測されていたためでしょう。Wiiは北米地区で先行発売されたので、海外からの直輸入業者が北米に向かったことも、その要因かもしれません。

常識外れのソフト販売数が物語るもの

 Wiiの販売時の各種データを見ると、ソフトの売れ行きが驚くほど順調だったことが目を引きます。

 普通、ゲーム機の発売時には、マシンの販売台数と全ソフトの販売本数が、ほぼ同数となります。「マシンと同時に、まずは遊びたいソフトと1本買う」人が多数派を占めるためですね。PS3では約0.8~0.9本、いまや爆発的ヒットとなっているニンテンドーDSでさえ、マシンとソフトの販売数の比率は、0.9~1.0になっていました。

 しかしWiiは違うのです。マシン発売と同時に、ソフトの売行きがマシン台数を大きく上回り、マシン1台につき1.6~1.8本以上のソフトが買われているというデータが業界筋では出ています。ソフトがこのような売れ方をしたゲーム機は、ちょっと記憶にありません。

 従来と、たかが1本弱の差じゃないか、とあなどってはいけません。購入者の過半数以上が、「まず遊びたいソフト」だけでなく、いくつかのソフトをみつくろっていった。これはゲームビジネスの常識から大きく外れているといっていい現象です。コントローラー同梱で割安感があるソフト「はじめてのWii」が17万本前後の販売本数を記録しているので、これが数値を押し上げているのも確かですが、Wii本体が35~38万台売れているのですから、これだけが決定的な要因とは考えづらい。

 Wiiのソフトの売れ方の最大の理由はなにか。これは仮説に過ぎませんが、もしかしたらWiiは、最初から「家族」という単位が購入を希望した、史上初のマシンだからかもしれません。

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「Wiiのソフトの売れ方は“異常”」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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