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自然を精密に観測すると、見えてくるものがある

『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか 日本人の暮らしと身近な植物』 稲垣栄作著 絵・三上修 草思社刊 1400円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2006年12月8日(金)

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『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか 日本人の暮らしと身近な植物』 稲垣栄作著 絵・三上修

 「ちょうちょう ちょうちょう 菜の葉にとまれ」

 誰もが何の不思議もなく歌っている童謡だ。菜の花ではなく「菜の葉」というところに注目。菜の花なら不思議はないのだが、チョウチョウは花ではなくて葉にとまるのだという。「菜の花にとまれ」の言い違いではないか?

 ここで出てくるチョウチョウは、もっともポピュラーなモンシロチョウ。モンシロチョウの幼虫は緑色の小さな青虫だ。この青虫はアブラナ科の葉を食べて成長する。モンシロチョウは菜の葉などのアブラナ科の葉に産卵する。

 すると卵が孵化して青虫になったとき、直ぐ足下に餌があるので好都合だ。蝶々という歌の本歌はスペインの民謡。それに、国学者の野村秋足がつけた。

 以前は「菜の葉があきたらサクラに止まれ。サクラの花の栄える御代に」と続いたのだが、「栄える御代に」という部分が国粋的であるとして、戦後削除された。その代わりに「サクラの花の花から花へ」に置き換えられた。

 では菜の花畑でモンシロチョウをよく観察してみよう。するとチョウは葉から葉へ、忙しげに飛び回っていることが分かる。そのときに体の尾に当たる部分で葉を叩くような動作が見えるはずだ。

 この動作を「ドラミング」というのだそうだ。このときにチョウは、その葉がアブラナ科かどうかを確認しているのだ。そして1つの葉に1つだけ、卵を産み付ける。チョウはもっと卵を生みたいのだ。しかし、1枚の葉に多くの卵を生むと、青虫同士の餌の食い合いが起こる。

 ゆえに、チョウチョは菜の花畑で忙しく飛び回っているのだ。

 かくほど左様に、本書は日常生活の移り変わりを、生物学的に解明していく。ちょっとしたヒントで生物の真相に迫ることができる。

 細い画筆で描いた小動物や花々の絵が美しい。

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