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常識を打ち破った音楽祭「熱狂の日」

  • 山尾 敦史

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2006年12月15日(金)

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 2005年と2006年、クラシック音楽シーンが1つの音楽祭で大きく揺れた。5月の大型連休に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された「熱狂の日」音楽祭(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン)は、従来の常識を打ち破る様々な新しい試みによって、閉塞感のあったクラシック音楽のイメージを一新。

 ベートーヴェンをテーマ作曲家にした2005年は3日間で約32万人、モーツァルトをテーマにした2006年は4日間で約70万人を動員するという、画期的な結果を収めたのである。それは「クラシック音楽もヒット商品になり得る」という可能性を、はっきりと示してくれたのだ。

カリスマ・プロデューサーの英断が東京を変えた

 「熱狂の日」と題された音楽祭は、1995年よりフランス西部の港町ナントで開催されている、同名の音楽祭がルーツ。音楽プロデューサー、ルネ・マルタン氏の発案による、クラシック音楽の「ワンダーランド構想」がベースになっている。そこにはマルタン氏がそれまでクラシック音楽シーンに対して疑問に感じてきたことに対する回答、つまり約1時間のコンサートを複数の会場で丸1日行い、チケットも通常のコンサートと比べてかなり安価に抑える、という不文律があった。

 これにより、1つのコンサートが約2時間、しかもほとんどが夜に行われるという“業界の常識”に反旗を翻したことになる(日本は7時開演が圧倒的に多い)。こうした試みの背景には「マニアの専有物と見なされがちなクラシック音楽を、より多くの人に開放したい」という強い氏の思いがあった。

 その目論見は見事に的中。「熱狂の日」は回を重ねるごとに聴衆を増やし、11年目となる2005年に、マルタン氏かねての念願だった東京での開催が実現する。会場に選ばれた東京国際フォーラムは展示会場などでは有名な施設だが、クラシックのコンサートホールとしてはほとんど認知されていない場所だ。

 しかしマルタン氏は「その意外性も含め、日本で全く新しいことをスタートさせるにはイメージ的にもプラス。東京にはクラシック音楽に熱心な聴衆が多く、CDの売り上げでも世界中から期待されている都市だ。その中心とも言えるエリアで音楽祭を開催することは、音楽都市という印象を世界中に発信することにもなる」と、その広い可能性について語る。

平均2000円というチケット価格がブレークスルーのカギ

 そのビッグチャンスは現実のものとなり、冒頭の記録的な動員数となった。大型連休の高揚感も伴ってか連日のように多数の来場者があり、普段はクラシック音楽を聴く習慣がないという層を中心に、ほとんどのコンサートが初日でチケット完売となったのである。

 2006年の来場者アンケート(サンプルは約5000)によると、クラシックのコンサート経験がこれまで5回以内というビギナーが約52%を占める。つまりクラシックのファン層を広げるという当初の目的が達成された結果であり、東京においてもクラシック音楽に新しいビジネスチャンスがあるのだということを提示した。と同時にそれは、従来のクラシック音楽シーンが、必ずしもニーズに対応してこなかったということの証明でもある。

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