最近、友達を区別しがちじゃないですか?
いきなり変な質問で恐縮です。実は、ここで“区別”と言ったのは、友達との連絡手段についてです。私が幼い頃は、友達と連絡を取り合う方法と言えば、手紙か電話か、くらいしかありませんでした。もしかしたら、読者の中には、若い頃は電話だって普通じゃなかったという方もいるかもしれません。連絡手段を区別しようにも、しようがなかったわけです。
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携帯電話やインターネットの普及でそれが大きく変わっています。調査によれば、友達ごとに連絡手段を変える人が増えているのです。博報堂生活総合研究所が実施している「生活定点」調査では、「友達でも間柄によって連絡方法を区別する方だ」という回答が1998年の12.1%から、今年は24.6%と倍増しています(図1)。
これは、簡単に言えば、A君にはケータイメールで、Bさんにはパソコンメールで、C君には電話で、DさんにはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、といったように連絡する相手によって伝達手段を区別していることを指します。
そう言えば、携帯電話会社の「相手指定制定額通話サービス」が、大変好調のようです。例えば、「母親」や「恋人」など、あらかじめ通話相手を指定しておくと、その人への電話は何時間かけても定額、というサービスです。あまり話したくない人にはパソコンメールで、常時接続していたい人とはケータイメールで、じっくり生言葉で話したい相手とは通話で、といったように、通信技術の発展で広がった人間のネットワークを、生活者は賢く使い分けるようになっています。
「(自分は)情報を活用した生活をしている」と答える生活者も、この10年間、うなぎ上りに増えており、今年の調査では10年前よりも約10ポイント増えて37.7%に達しました。つまり、「自分は無駄のない、効果的な情報生活を送っているぞ」と考える生活者が増殖しているということでしょう。
これは、悪質な“いたずらメール”か?
こうした特長が特に顕著なのが、10代を中心とした若者世代です。若者を中心に日本人の情報リテラシーはものすごい勢いで底上げされています。ここ数年、私は10〜20代の若者研究をしてきました。その研究を通じて実態を知るにつれ「若者の情報武装、恐るべし」と思わざるを得ません。
実は最初、あまり10代の若者研究に乗り気ではありませんでした。「少子化で人数も少ないし、若者なんて研究して意味があるの? ガキとなんて接したくないよ」などと、少し不遜で生意気な思いを抱いていたからです。でも、数年前のある出来事でその勘違いを思い直しました。キッカケは、1通の電子メールです。
件名は「ある高校生より」。「弊社は若者調査のお手伝いをしています。今度、博報堂生活総研さんが、若者研究を始めると聞きました。是非、弊社を使っていただけないでしょうか?」という内容でした。
「おいおい、何て悪質ないたずらメールだ」。メールを読んだ瞬間にそう思いました。まず、企業のマーケティングのお手伝いをする広告代理店は基本的に裏方仕事。就職を考え始めた大学生ならいざ知らず、高校生が知っているとは考え難い。ましてや、博報堂総合研究所は、その広告代理店のさらに内部にあるシンクタンクです。そこを名指しでメールを送りつけ、高校生が「弊社を使って下さい」などと言っている。
いたずらに違いない。あまりの違和感に、不信と憤りさえ感じた私は、逆にメールの送り主に興味を持ち、「大人をなめるな」という抗議の意味も含めて会ってみようと思い立ちました。
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