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【第3回】「ドクターショッピング」が続くケース(前編)

医者から医者へ渡り歩く

  • 小野 繁,江木 康人

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2007年1月11日(木)

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*この連載に取り上げられる症例は実在の患者さんのものではなく、同様の症例を組み合わせた上で、設定され記述したものです。

 今回のケースはうつ病の診断基準を満たすには至らない「うつ」の周辺にあると思われる女性の患者さんです。

 「エセうつ」や「うつモドキ」の状態になるのは、誰にでも起こりうる症状がきっかけです。そして本人の申告による症状の訴えには「疲れやすい」、「眠りが浅いことがある」、「やる気が出ない」、「毎日が面白くない」などなどがあります。

 これらは程度の差はあるにしても、毎日の生活の中で誰もが経験するものです。そのため、すべてがうつのなせる技であるとは即断しがたいところもあるのですが、逆にこの程度の症状は誰にでもあるといって、医師がうつを念頭に置いていなければ、うつを見逃すことにもなりかねません。

 患者さん本人の訴える症状の中には重症であるような表現、あるいは本人の表現が軽症の様に思えても実は重症な場合まで様々です。しかしこのような症状を簡単に数量化することは難しい。従って、日常診療では本人が「辛い」と言えば、治療者はその軽重を問わず、それなりに訴えを受け止めなければなりません

 今回のケースですが、本人には前述の身体症状、精神症状がありました。そして、かつて「軽いうつでしょうね」と医師から言われたことから、これを自分の病状として受け止めていました。おそらくそうした経緯から、自身のすべての症状はうつによるものと考えるようになっていたのでしょう。

 彼女は、何らかの身体症状が出るたびに、体調不良が軽症のうつによるものと自己診断し、病院や診療所を受診していました。『前の病院で「うつ」と診断されて治療を受けていました。薬はこの様なものを飲んでいました』と提示され、「症状は全く同じですから前と同じ薬をいただければ・・・。よろしくお願い致します」と言われますと、医師としては(忙しい診察の中では)「それでは前と同じ処方で様子を見てみましょう」と処方箋を書くこともありえます。

 要は、過去に「うつ」という診断を受けたことで、自らの体調不良はうつのために起こると考えてしまうようになったわけです。内科などで身体的な診察を受けることもなかったようですが、うつを診る精神科や心療内科は受診しており、薬だけもらう診療が続いていました。が、症状改善がないことに不満を持ち始めた頃より、いわゆる“ドクターショッピング”(※)が始まったわけです。

*医師や医療機関を自ら納得するまで巡り歩いたり、医師による診断がつかないことから、他診療科へ送られ、さらにそこから他診療科へ送られ、こうして医師や医療機関を巡り歩かされたり、歩いたりすること。

 こうした「ドクターショッピング」を繰り返して、5年間が経過してしまいました。

【ケース2】26歳 女性 アパレル勤務 短大卒業後、アルバイトを経て現在の会社に就職~勤続5年目 独身 一人暮らし

 梅雨も明けたある日、友人の産業医からこのような相談を受けました。

 「実はある会社の女性社員なのですが、この5年間、自律神経失調症様の身体症状とうつ症状の訴えがあって、会社を8割方欠勤し続けているということなんですけどね…」

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