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『後ろ向き』に前進せよ!
無理をしない「上から3番手」の処世術

2007年1月24日(水)

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 ポジティブシンキングは疲れませんか?/人に負けたらダメですか?

 ささやきかけるような本のオビのコピーにワタシ、引き込まれました。人生は山あり谷あり、と言われますが、登った山が高いぶん、深い谷を幾つも経験してきたのが、この本の著者でしょう。

 岸部四郎さんは、ぼんやり飄々としたキャラクターのタレントさんで、岸部シローと書いたほうが通りがいいのかもしれません。朝のワイドショーの司会などで活躍されていました。突然の番組降板と自己破産騒動で話題となった、あの人です。

 最近はテレビドラマで、薄くなった頭髪を隠さず、まんま、しょぼくれたお父さん役で復活、不思議な存在感を醸し出しています。

 最初はワタシも自己破産して逃げた人だったよね、くらいに、すこし見下ろすようにして本をめくっていました。しかし、だんだん、その物腰の低さ、ぶつぶつボヤく口調に魅せられてしまいます。

 岸部さんが芸能界に入ったのは、グループサウンズ全盛時代の1960年代。ジュリーこと沢田研二さんがリードボーカルをつとめる「ザ・タイガース」にギタリストとして参加します。脱退するメンバーとの交代劇の裏では、こんな逸話があったそうです。

 岸部さん、実は楽器が何一つ弾けなかった。それで彼は、フリだけでいいから、と言われるままに、ギターを持って後ろに立っていたそうです。

 今では「エアーギター」というジャンルも確立されましたが、当時、フリだけをし続けるのは辛かった、と岸部さんはこぼしています。

 ライブハウスで目の前の観客の、「シロー、同じコードばっかり押さえないで」のヤジが胸に、ぐさっ、ぐさっ。まもなく「リード・タンバリン」担当となり、しかもボーカルのじゃまにならないようにと、消音の工夫がされていたとか。

 なんともさえない。しかし、らしいといえばらしい。フリだけとはいえ、破格のギャラがもらえた上に、女の子からもモテモテだった。イイ思いをするほど、岸部さんは後ろめたくなってしまう。人柄が見えます。

 そんな岸部さん。さしたる才能もなく、ただ運だけで乗り切ってきたかのように人から言われることも多かったそうです。まぁ、そうでしょうね。でも、生き馬の目を抜く芸能界で、何十年と息長く活躍し続けることができた理由について、岸部さんは自分なりの分析をした。

 しゃべるのも芸なら、黙っているのもまた芸なんです

と、岸部さんは断言しておられます。もし、みなさんが口下手や人見知りだったとしても、それは大いに結構なことですよ。悩む必要なんてどこにもありませんとも。
 
 岸部さんの特色といえば、ただそこに、ぼんやりとして座っている。ただそこにいるだけで、空気が緩む。華やかな場に居ながら才気をふりまかない、特異な人です。

 岸部さんは、しゃべるのが得意ではなかったぶん、でしゃばらず、人の聞き手にまわることを続け、その結果、自然と風格(というか、味みたいなもの)が身にそなわってきた。
 本当はいざ知らず、黙って穏やかにうなずいていると、なにやら物事を考えているように映る。余人に代えがたい資質だと思います。
 
 もうひとつ、岸部さんが提唱するのが、トップを目指さない生き方です。狙うなら、「上から三番手」。これがサバイバル社会で生き残るヒケツだといいます。

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川野 幸夫 ヤオコー会長