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女やもめに花が咲く? そんな理不尽、オレは許さん!

  • 山崎 雅保

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2007年1月10日(水)

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 驚きました。江戸の人口の男女比率は2対1くらいだったんだって。260年も続いた江戸時代だから変動はあったはず。けれど常に「開発途上都市」であり続けた江戸だもの、いずれにしたって男だらけだったんです。

 江戸文化が豪勢に開花したとされる元禄。それを少し過ぎた享保6年(1721年)の幕府による人口調査では、江戸の人口110万のうちの70万人以上が男。となれば需給の原則。江戸の女たちはかなり強気でした。

 当然ですよ。「あんたみたいな無粋者と暮してらんないよ!」と離婚したって「一緒に暮してくれねえかい」とすり寄ってくる男がいくらでもいたし、女不足の町なら自活する道もあったはず。

 だから江戸の離婚率は今日この頃よりも高かったんだってさ。江戸の男たちってのは、昨今の男たちよりも、切ない宿命に直面する危険性が高かったってことです。それだけに、いざ夫婦となったら、互いに大事に尊重し合ったはずなんです。

 まったくなあ、男寡(おとこやもめ)に蛆が湧くっていうけどさ、ホントだね、汚ねえ家になっちまったなあ。

 ってやんで、うるせえな。蛆なんか、どこにいる? そりゃ少々清掃不足ではあろうけれど、蛆までは湧いてねえ。それによ、俺は寡じゃないの。寡ってのは夫に先立たれた女のことなのっ。いわゆる未亡人。俺はさ、死に別れたわけじゃなくて生き別れされちゃったの。加えて男だからね、寡じゃないの。

 バカだねお前は。昔からいうんだよ、男寡に蛆が湧く、って。由緒正しいコトワザなの。

 じゃ、女寡にゃ何が湧くの? 女寡にゃカビでもはえるか?
 知らねえんだな。女寡にゃ花が咲くの。男寡に蛆が湧き女寡に花が咲く。これでワンセットのコトワザなんだよ。

 ふざけんじゃねえよ。老境にも遠くない歳になってボロ雑巾のごとく置き去られてさ、こっちは蛆さえ湧きかねないのに、あっちは花が咲く? そんな理不尽な話があっていいのかよ。俺は許さねえ。そんなことは人間社会としてあっちゃいけねえことだ!

 許すも許さねえも、実際そうなんだからしょうがねえじゃねえか。はい離婚いたしましたってご婦人方ってのは、まぁ、そりゃ見事にいいようにやってるよ。旅したり手習いやったり、絵に描いたような花ざかり。生き返ったように元気なんだから。他方で御用済にされちまった男ときたら、なあ、このテイタラクだもんな。しょうがねえよな。

 私たちは「昔」を誤解しがちなんですね。わが国は昔から男権が強くって、妻は夫の三歩後ろを楚々と歩くのが伝統のたしなみであるかのように思い込んでいるけれど、違うんです。風土も文化も、昨今よりはるかに豊かであった昔の日本は、どうやら男尊女卑とはほど遠い、男も女もともに尊重し合って暮す社会だったようなんです。

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