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【第4回】「ドクターショッピング」が続くケース(後編)

  • 小野 繁,江木 康人

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2007年1月16日(火)

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*この連載に取り上げられる症例は実在の患者さんのものではなく、同様の症例を組み合わせた上で、設定され記述したものです。

 前編で紹介した「ドクターショッピングが続くケース」は、自分が病気であると(自己診断で)思い込んでいることもあり、また自らを意識的に病気状態に置いている可能性もありました。問題なのは、うつを経験してきた延長線上にある気分変調症が遷延しているなど、この自律神経の失調状態とうつ気分を引き起こしている背景を鑑別するがとても難しいことでしょう。

 「体調が悪い、気分はもっと良くなるはずである」と、健康に関する要求度が高く、「これではまともに仕事もできない」と考えるのはうつの治りかけ、あるいはうつは治ったのに、本人がその気になれない場合、あるいはその状態にとどまることが楽であると判断した時の、患者さんご自身の選択によるのです。しかし、これをはっきりと言い切るのは難しく、患者さんとして受診してくる以上、医師としては受け入れていかなければなりません。

 社会復帰へのメッセージを送りながらの診療が続くのです。人生を生きていく中で、うつうつとした毎日を送り、生活の質(QOL:quality of life)が貶められた状態では、少しでも改善される方向へ医療の立場から支える部分はあっても、患者の方のすべてを支えることはできないのです。

 患者さんの訴える症状のほとんどが「自律神経失調症様の症状」であることから、症状は命に関わる問題ではない。ある程度の日常支障はあっても、過ごすことができる症状であれば、医師は「その症状を持ちながら、社会復帰していかれてはいかがですか」とアドバイスするようになります。

 無論、中には本当に症状があって苦しんでいる方もいます。背景には性格素因、人格などが存在することもあります。今のところ、この症状を測る計測手段がありません。

 ですから、人によってはこれくらいの不具合ならとか、これではとてもだめというような受け取り方が違うのです。こうしているうちに患者さんは「ここ(=この病院・医師)ではらちがあかない、もしかしたらもっとすっきりさせてくれる医者がいるかもしれない」と考えるかも知れません。そして、自ら病気の見直しをしようと決意し、まだ治っていない病気として診てくれる、納得のいく医師を求めて、転医することがあります。

 こうして「ドクターショッピング」が繰り返されることがあるのです。

 今回のケースですが、心身の不調を訴えるその症状は、どの医師の診断も同じで、受診された医者が各々診断書を出していたわけです。真意は分かりませんが、彼女には自分の訴えを的確に診断し、治療をしてくれる医師を巡り、うつというラインで治療を続けてもらえ、3カ月くらいの自宅療養の必要性を受け入れてくれる医師を渡り歩いていたという事実があります。

 こうして受け取った診断書を会社に提出すれば、病気療養のための「欠勤理由」が付くことになります。

 誰もが彼女を(不正)欠勤であると認められませんでした。会社としても診断書という医学的証明により、彼女が福利厚生制度を受ける対象としたわけです。

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