• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「ガン宣告」で体験したおかしな日本の医療(前編)

  • ブルース・ホルコム

バックナンバー

2007年1月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 第1回では、ガンというテーマについて触れてみたいと思う。「生きる」という題名なのに、最初から死と関わるテーマを取り上げるのが不思議だと思う人がいても無理もない。しかし現在ガンとともに生きる人はますます増えている。私もその一人。ガン診断は必ずしも死の判決ではないのだ。

 私が1回目のがん宣告をされたのは十年ぐらい前のこと。ある日、血尿が続くので専門医に相談したら膀胱ガンだといわれた。多くのガン患者と同様に最初に「これは死刑判決だ」と感じた。今から考えるとそこから私の取った行動はかなり変わっていた。

 私はワインが大好きで、どうせ死ぬんだったらワインをけちるもんじゃないと考えた。ホルコム家が飲むワインのレベルが一気に上がった。それまで手が出なかったシャトーオブリオンなどボルドーの高級品を毎晩水のように飲んだ。

 まわり(=妻)は文句を言いたくてもなかなか言えない状況で本人は楽しかった。ガンに感謝した。問題は、簡単な内視鏡手術で腫瘍を取り除かれ、どうもこいつは死なないぞということが明らかになったことだった。生きられると分かって喜んだ反面、ガンを口実に世界最高のワインが飲めなくなるのは困った。1回目のガンとの出会いはあっけなく終わった。ワンランクダウンのワインにもどって生き続けた。

 2回目のガンは、もっと厄介なやつだった。おかげさまで現在も続行中のガン治療を通じて、日本の医療制度の良い面も悪い面も身近に体験できた。

 2001年6月のことだった。急に足の付け根のリンパ腺が風船のように膨らんだ。以前、足の付け根にしこりを感じたとき、膀胱ガンを担当していた泌尿器科医に相談したことがあった。先生は、担当の場所じゃないから分からないとおっしゃった。

 膀胱としこりの場所は10センチほど離れていた。他の専門医も紹介してくれなかった。何科に行けばいいのか見当がつかなかった。これが1つ目の教訓となった。日本のお医者さんは、良く言えば非常に専門化されている職人だ。悪く言えば体全体のケアにあまり目が向かない。日本の縦社会と同様、他の科の同僚との横のつながりはあまりないようだ。

 急にリンパ腺が膨らんだのは、運悪く土曜日だった。それが2つ目の教訓となった。週末にはほとんどの病院には入院できない。要するに、どうせ病院に入るなら平日を選んだ方がいい。私の場合、緊急だったためにそんな余裕がなかった。

コメント6件コメント/レビュー

ご説の通りと思います。私は口腔癌4回の経験者です。癌病棟の暗い雰囲気は、始めに「告知」という聖母の「告知」を連想します。「告知」は言葉を換えた方が良いと思います。入院期間は病院に依って異なると思います、私の場合は入院待ちが多いからと、何時も追い出される状態でした。自分の病気を理解して、生きるのだという気力が無い患者が多いことは残念です。20年前は癌だから一日でも延命目的治療が多く、術後のケア不在の傾向があり、後遺症で苦労しています。医師は信じる最良治療方法を責任を持って提示しないのは、責任逃れては、患者は勉強しても、所詮はアマ。(2007/01/29)

「生きる~ニッポンの風に吹かれて」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ご説の通りと思います。私は口腔癌4回の経験者です。癌病棟の暗い雰囲気は、始めに「告知」という聖母の「告知」を連想します。「告知」は言葉を換えた方が良いと思います。入院期間は病院に依って異なると思います、私の場合は入院待ちが多いからと、何時も追い出される状態でした。自分の病気を理解して、生きるのだという気力が無い患者が多いことは残念です。20年前は癌だから一日でも延命目的治療が多く、術後のケア不在の傾向があり、後遺症で苦労しています。医師は信じる最良治療方法を責任を持って提示しないのは、責任逃れては、患者は勉強しても、所詮はアマ。(2007/01/29)

すぐ入院できて本当に良かったですね。米国では、どんなに具合が悪くても(ER以外の)医者は予約なしでは診てくれません。しかも、3分診療で5万円も請求されます。どうせまた日本の医療者の非難の大合唱になるんでしょうがね・・・(2007/01/14)

私も昭和63年に癌と診断され、日本有数の癌専門病院で治療を受けました。血小板の輸血で肝炎になってしまいましたが、主治医は肝臓のセクションに紹介してくれました。その肝臓専門医も癌でないのに、よく治療してくれました。しかし、それらの先生方は転勤となり他の医者に変わり、今では自分の体や精神面での支えになってくれません。これは、病院の質ではなく医者個人の資質の問題だと思います。現在、体や精神面での支えになる医者の育成に目が向けられていますが、最終的には患者がいかに見極めて自己防衛していくしかないと思います。患者も医者を選択できる時代と思います。(2007/01/13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長