Wiiの「インターネットチャンネル」画面で当コラムを見てみました
2007年のテレビゲームビジネスは、どのようになっていくのでしょうか? 当たるも八卦、当たらぬも八卦、を本年もお許し願う当コラムとしては、2007年の家庭用テレビゲーム機市場を読み解くカギは、「ゲームに注目してはいけない!」ことにあると宣言いたします。
任天堂のWiiを見てみましょう。これは面白いゲームがあること以上に、ゲームじゃない部分が面白いことに注目すべきマシンです。例えば「写真チャンネル」。デジカメで撮影した画像が入ったSDカードを挿すだけで、テレビでスライドショーが観られる機能を、「ゲーム機に興味のなかった人」の前で実演してみましょう。かなり強い興味を示すことが分かるはずです。
「パソコンより速く」ネットに接続
「天気予報チャンネル」や「インターネットチャンネル」も同様です。自宅付近の天気を確認できますが、電源を入れてからの所要時間はわずか15秒。同じく、インターネットに接続し、お気に入り登録していたWebサイトを見るまでの時間は、約55秒です(注:自宅の回線によって差があります)。電源を切った状態から比較した場合、パソコンよりもWiiのほうがカンタンであり、なおかつ要する時間も短いことがわかるでしょう。これまたゲームに興味のない人たちの強い興味を引いています。
こういったことで「ゲームに興味のない層」の興味を引けるかどうかが、昨今のゲームビジネスの大きなカギを握っています。それをDSやWiiが実行してみせたからこそ、右肩下がりだった市場規模が一気に上昇に転じたと考えていいのです。この流れは、2007年以降も続くと推測されます。ゲームビジネスの近未来を読みたければ、むしろ「ゲームに注目してはいけない」ということを、ぜひ知っておいてください。
テレビの画面に、一番長く居られるのは誰?
この結果、2007年はリビングルームの覇権を奪い合う戦いが激化していくことになるでしょう。
WiiとマイクロソフトのXbox 360、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション3(PS3)が、激しい「次世代ゲーム機戦争」をする、という話をしているのではありません。そんなことを言っている人は鼻で笑っていい。だってリビングルームの覇権を争う戦いにおいては、これらの3つのマシンはライバルではなく、むしろ同志なんですから。
前述したように、ゲーム機は、いまやゲームファン以外の人たちを強く引き付けることに活路を見いだしました。となれば、ゲーム機が戦わなければならないライバルは、他のゲーム機ではない。普通の人が普通に楽しんでいるテレビ放送そのものがライバルになる。あるいはDVDやビデオなどのコンテンツがライバルになるのです。これらのライバルを相手に、「ゲームに興味はないけれど、リビングルームで過ごしている人たち」を取り込めるかどうかが、いまのゲーム機が直面している「真のデジタルエンターテインメント戦争」なのですね。
これに拍車をかけるのが、大画面と高精細化。
リビングルームでは、テレビを巡る環境が変わってきました。ハイビジョン放送(注:ハイビジョンとは日本独自の呼称。全世界的にはHDTV、High Definition Television=高精細度テレビ、と呼ばれる)の開始により、精緻な映像がリビングルームで楽しめるようになり、リビングに置かれるテレビも大型化しつつあります。それにともない、より精緻な映像が求められ、より多くの人が集まったときに楽しめるコンテンツが要求されるようになっているのです。
ではどのハードから出力されたコンテンツが、テレビ画面に映されるのか?
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