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中国という大国、隣人、歴史、現状

『中国の頭脳 清華大学と北京大学』 紺野大介著 朝日新聞社刊 1300円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2007年1月19日(金)

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『中国の頭脳 清華大学と北京大学』 紺野大介著

 著者は清華大学の招聘教授。GDP世界4位という猛発達を成し遂げた中国の力の裏には、「科学発展観」という、政府を挙げての政策があった。つまり、中国政府は科学分野での「諸氏百家」の時代を再現しようとしたのだ。

 その原動力となったのが、本書のタイトルにもある「清華大学」と「北京大学」だ。中国には科挙という伝統がある。これらの大学に入学するには、唐時代の科挙さながらの難しい試験に挑まなくてはならない。

 中国で大学に入学するには、日本のような全国統一の試験を受ける。「普通高校高等学校招生全国統一考試」、縮めて「高考」と呼ばれる試験をまず受けなくてはならない。

 「高考」は文字通りイッパツ試験で、これに合格しないと、絶対に先には進めない。中国で高等教育を受けようとする学生たちは(親たちも含めて)、目の色を変えてこの「高考」に挑む。「高考」は現在では毎年6月7、8、9日の3日間集中して行われる。いかなるエクスキューズも考慮されない、イッパツ試験だ。

 受験生にかかる心理的な負担は計り知れない。中国ではいつしかこの3日間を「黒三天(ヘイサンティエン)黒い3日」と呼ぶようになった。

 広い中国、当然試験の難易度も地方によってわずかに違う。親たちは、場合によっては不正な手段で戸籍を買い、遠く離れた省や自治区へ移住する。こういった親たちの涙ぐましい移住を、中国では「高考移民」と呼ぶのだそうだ。

 農村と都市部の格差の問題も「高考」に反映されている。選考のラインが地方や都市部では、単なる地域差以上に違ってくる。また「高考」の選考ライン突破のために、小学校、中学校などの名門が現れ、これらの名門小中学校に入るには都市部に住んでいなくては入学のチャンスはない。

 「高考」制度は、科挙制度の現代版と言っていい。かくして、中国のGDPは飛躍的右肩上がりを続け、科学技術立国が成立するのだ。次の目標は、科学分野でのノーベル賞学者の輩出にある。ノーベル物理学賞受賞者、楊振寧の再来は間近だ。

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