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上手に『いらっしゃいませ』と言えますか?
~受付嬢から見た会社人類学

  • 大宮 冬洋

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2007年2月7日(水)

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 ここ10年ぐらい、大卒新人の約3割が3年以内に退職してしまう状況が続いている。この「超早期退職」の背景には、若者の就業意識の変化が大きく影響しているのだろう。生活のために働く感覚は薄くなり、何のために働くのかという疑問を常に抱えながら働いている。だからこそ、就職先選びには迷いに迷い、やっと入った会社でも、仕事の内容に幻滅したら、早々に見切りをつける。

 でも、入社前から自分の適性ややりがいの有無なんて分かるものだろうか。

どこが評価されたのか分からない…

『いらっしゃいませ』 夏石鈴子著 角川文庫 514円(税抜き)

『いらっしゃいませ』 夏石鈴子著 角川文庫 514円(税抜き)

 本書の主人公・鈴木みのりは疑問を抱く。みのりは、スチュワーデスになるか金持ち男と結婚することが勝ち組とされている短大の学生として就職活動を始めたが、安易に進路を選ぶ周囲には「一体、何を決め手としてその会社に入りたいのか、自分がその会社に入って何ができるというのか」と呆れる。商社に入って高学歴・高収入の男と結婚しろと勧める母親にも「わたしはお母さんみたいになりたくないの。だから就職するんじゃないの」と反発する。

 そんなみのりが、たまたま受けて通った会社は大手出版社。周囲もみのり自身も最終面接に進めるとすら思っていなかった。どこが評価されたのかまったく分からない。しかし、この就職をきっかけに、みのりは「自分」にこだわり過ぎない生き方にシフトする。

 「自分の自信なんて、実は全然必要ないのかもしれない。自分以外の人が、これでいいのだと決めてくれたら、もうそれで十分なのではないか」

 晴れて採用され、「わたしはあの会社で一生懸命働こう。わたしを信じて入れてくれたのだから」と決意するみのり。配属は、秘書室と経理部と並んで「女の三大地獄」と揶揄される受付だったが、自己評価の低いみのりは「自分にはそういう仕事が丁度良さそうだ」と満足する。

 花形部署である編集部などと比べると、受付は「あまりお礼を言われることがない」存在だ。仕事の内容だって、売り上げや業績に直結するものではない。しかし、単純作業を適当にやる先輩社員を反面教師にして、簡単な仕事すらきちんとできないのでは、難しい仕事はさせてもらえないとみのりは気づく。3年で辞めてしまいそうな社員にぜひ読んでほしいくだりだ。

 さらに本書は、一種の「会社人類学」としても読むことができるかもしれない。

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牛島 信 弁護士