「女性専用車両」「レディースデイ」「女性限定サービス」「女性専用スパ」…。ここ数年、何だか居場所が徐々に減っているようで、一抹の寂しさを感じている男性は私だけでしょうか。
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1986年に男女雇用機会均等法が施行されてから20年以上がたちました。その当時と比べて、日本人が“男女平等”という言葉に持つイメージはどう変わっているのでしょう。博報堂生活総合研究所が昨年実施した「生活定点2006」調査では、「男女はほぼ平等」と答える生活者が上昇トレンドにあります。「教育全般」については2年前の前回調査よりも3.3ポイント上昇して86%、「法律や制度」では4.1ポイント増の54.8%になりました(図1)。
つまり、「教育」や「法律や制度」などの社会インフラ上は、男女平等になりつつあると感じる生活者が、半数を超えたということになります。ただし、「社会全般」で「男女はほぼ平等」と答えた生活者は36.8%。2年前に比べて2.2ポイント増えたものの、まだ半数には達していません(図1)。家庭や恋愛関係、職場の雰囲気といった社会意識の部分では、まだ男女平等にはなりきってはいない、ということでしょうか。これは、読者の皆さんが日頃感じているイメージに近いのかもしれません。
ちなみに一昨年、テレビ朝日のドラマ「熟年離婚」が高い視聴率で話題を呼びました。実際、日本の熟年離婚数(20年以上同居後の離婚数)は、1985年には2万435組でしたが、2005年には4万395組とほぼ倍増しています。世のお父さん、孤独で寂しい老後を送らないためにも、家庭内で男女平等意識を持ちましょうね。このまま「男女平等意識」のデータが上昇カーブを描いていき、今の若者が熟年世代になる頃には熟年離婚が減っていると期待したいところです。
男らしさ、女らしさを再び求め始めた生活者
今回の調査結果で興味深いのは、男女平等意識が徐々に浸透しているという大きな流れの一方で、男女ともに「男らしさ」「女らしさ」を大切にしようと考えるゆり戻しの動きが出ていることです。
ここ20年くらいの間、日本では父権の崩壊が叫ばれてきました。確かに家族アニメの歴史を見ると、それが象徴的に表れています。1969年に放送が始まった「サザエさん」では、嫁の実家に居候の身であるマスオさんは肩身の狭い思いをしていますが、波平さんには父権が残っていました。しかし、90年放送開始の「ちびまる子ちゃん」では、まるこちゃんの父親、ヒロシさんは軽いノリのお酒好きで、頼りなく軟弱なキャラクター。あまり父権は感じられなくなりました。92年に放送が始まった「クレヨンしんちゃん」になると、しんちゃんの父親、ひろしさんは奥さんの尻に敷かれています。家のローンに苦しみ、しんちゃんにお小遣いの話をされると落ち込んでしまう姿には父権がほとんど残っていません。
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「生活定点」調査のデータでも「母親より父親を尊敬する」という人の数は、1998年から毎年減少していました(図2)。父親よりも、身近で優しい母親を尊敬するという流れが、日本家庭の主流になっていたのです。1990年代、不景気の影響で仕事不安が高まり、中にはリストラされた人もいて、世のお父さんは自信を失いました。だから、家庭でも威厳を発揮できない。そうした状況が、父親の側にあったのかもしれません。
しかし、今回の調査では、父権が崩れていく傾向に歯止めがかかりました。景気の回復と同期するかのように「父親を尊敬する」という生活者(49.4%)と、「母親を尊敬する」という生活者(49.7%)の割合が、ほぼ同じになったのです。どうやら景気の回復は、お父さんの自信回復にもつながっていそうですね。
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