大画面テレビの普及は、今後のテレビゲームビジネスに、大きな影響を与えそうです。
とくに追い風を受けるのが、プレイステーション3(PS3)とXboX 360でしょう。これらは高画質を武器にしており、高精細のハイビジョンによる、大画面でこそ魅力を発揮するゲーム機です。現時点では苦戦を強いられていますが、大型テレビの普及とともに人気を盛り返していくはずです。
――と、AVの専門家や、テレビゲームの専門家の多くが、当然の帰結であるかのように発言しています。しかし、それは本当なのでしょうか?
当たるも八卦、当たらぬも八卦の精神で、大胆にゲームビジネスの未来を裏読みする当コラムとしては、そこに大きな疑問を抱いています。
4〜5年後のことはわかりません。しかし、ここ1〜2年のスパンで考えるならば、むしろ逆の影響が出るのではないでしょうか? 大画面テレビの普及は、日本市場でのPS3やXbox 360の立場を、むしろ苦しめることになるんじゃなかろうか――と、大胆に宣言しておきましょう。
最大の壁は、日本の生活習慣にある
なぜなら、据え置きゲーム機というのは、「テレビを“間借り”しなければならない娯楽品」だからです。
当コラムの読者の皆さんの中にも、すでに大画面テレビをお持ちの方は多いでしょう。そのテレビはどこにありますか? たぶんリビングルームにあると思います。そのテレビでは、たいていの場合テレビ放送が流れていて、それが家族団欒の道具になっているのではないかと推測します。音を絞りめにしてテレビはつけっぱなし、ということもありそうです。
そうなのです。独身世帯ならば話は別ですが、日本の家庭では、テレビは「みんなが集まっているリビングルームにあり、人がいる限り常に何かの映像が流れているもの」。もちろん例外は多々あれ、このイメージは多くの方に納得していただけるのじゃないでしょうか。
このため、据え置きゲーム機を遊ぶためには、「1人がゲームを楽しむ代償として、家族の団欒の道具になっているテレビ放送を消す」必要が生まれるのです。
小さなテレビでも楽しめるゲームならば問題ありません。リビングにないテレビを使えばいいので、家族がテレビ放送を楽しむ時間を邪魔しません。携帯ゲーム機も同様です。しかし「大画面テレビだからこそ面白い」ゲームを楽しむには、どうしても「他の家族がリビングでテレビ放送を見る時間を奪う」ことになるのですね。
いま、大画面テレビは急速に普及しています。ごく普通の家庭のリビングに、どんどん入ってきています。これらの家庭で、家族からテレビを見る時間を奪い、1人でゲームを遊ぶために占有できる時間は、週にどれだけあるのでしょうか。
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