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大画面テレビが、高画質ゲームを苦しめる

2007年2月16日(金)

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 大画面テレビの普及は、今後のテレビゲームビジネスに、大きな影響を与えそうです。

 とくに追い風を受けるのが、プレイステーション3(PS3)とXboX 360でしょう。これらは高画質を武器にしており、高精細のハイビジョンによる、大画面でこそ魅力を発揮するゲーム機です。現時点では苦戦を強いられていますが、大型テレビの普及とともに人気を盛り返していくはずです。

 ――と、AVの専門家や、テレビゲームの専門家の多くが、当然の帰結であるかのように発言しています。しかし、それは本当なのでしょうか?

 当たるも八卦、当たらぬも八卦の精神で、大胆にゲームビジネスの未来を裏読みする当コラムとしては、そこに大きな疑問を抱いています。

 4~5年後のことはわかりません。しかし、ここ1~2年のスパンで考えるならば、むしろ逆の影響が出るのではないでしょうか? 大画面テレビの普及は、日本市場でのPS3やXbox 360の立場を、むしろ苦しめることになるんじゃなかろうか――と、大胆に宣言しておきましょう。

最大の壁は、日本の生活習慣にある

 なぜなら、据え置きゲーム機というのは、「テレビを“間借り”しなければならない娯楽品」だからです。

 当コラムの読者の皆さんの中にも、すでに大画面テレビをお持ちの方は多いでしょう。そのテレビはどこにありますか? たぶんリビングルームにあると思います。そのテレビでは、たいていの場合テレビ放送が流れていて、それが家族団欒の道具になっているのではないかと推測します。音を絞りめにしてテレビはつけっぱなし、ということもありそうです。

 そうなのです。独身世帯ならば話は別ですが、日本の家庭では、テレビは「みんなが集まっているリビングルームにあり、人がいる限り常に何かの映像が流れているもの」。もちろん例外は多々あれ、このイメージは多くの方に納得していただけるのじゃないでしょうか。

 このため、据え置きゲーム機を遊ぶためには、「1人がゲームを楽しむ代償として、家族の団欒の道具になっているテレビ放送を消す」必要が生まれるのです。

 小さなテレビでも楽しめるゲームならば問題ありません。リビングにないテレビを使えばいいので、家族がテレビ放送を楽しむ時間を邪魔しません。携帯ゲーム機も同様です。しかし「大画面テレビだからこそ面白い」ゲームを楽しむには、どうしても「他の家族がリビングでテレビ放送を見る時間を奪う」ことになるのですね。

 いま、大画面テレビは急速に普及しています。ごく普通の家庭のリビングに、どんどん入ってきています。これらの家庭で、家族からテレビを見る時間を奪い、1人でゲームを遊ぶために占有できる時間は、週にどれだけあるのでしょうか。

コメント48件コメント/レビュー

この記事はようするに『AVの専門家や、テレビゲームの専門家の多くが「大型テレビの普及とともに(PS3・XBOX360が)人気を盛り返していくはずです。」と発言』していることに対して「それはちょっと違うのでは?」という意見を書いたもので、その理由は『日本における大型テレビは家族団欒の道具であり、1人プレー主体のソフトが多いPS3・360の売れ行きには影響しない』ということですね。その意見には自分も同意です。ただ、「PS3や360が根本的に抱えている問題に目をつぶって考えるなら」ですが。そういった意味では、日本の家庭事情に視点を向けた大胆な記事であると感じます。もし、PS3や360が抱える根本的な問題を考えるなら、なおさら大型テレビの普及とは無縁になると思います。(記事の最後でも少し触れている内容ではありますが)他の方がすでに何度か書いていますが、ゲームの面白さ(&売れ行き)は映像の綺麗さとは比例しません。これは過去のハードとソフトの歴史が何度も証明してきたことであり、現在においても同人ソフトが人気に後押しされてPS2ソフトになるという現象も起こっているくらいです。つまり、一部のAVの専門家やテレビゲームの専門家は『ゲームの売れ行き』と『映像の綺麗さを活かせる』という点を比例させて考えているようですが、ゲームを楽しむ1ユーザーとしては、そこからして「待った」をかけたいところですね。(2007/02/21)

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「大画面テレビが、高画質ゲームを苦しめる」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この記事はようするに『AVの専門家や、テレビゲームの専門家の多くが「大型テレビの普及とともに(PS3・XBOX360が)人気を盛り返していくはずです。」と発言』していることに対して「それはちょっと違うのでは?」という意見を書いたもので、その理由は『日本における大型テレビは家族団欒の道具であり、1人プレー主体のソフトが多いPS3・360の売れ行きには影響しない』ということですね。その意見には自分も同意です。ただ、「PS3や360が根本的に抱えている問題に目をつぶって考えるなら」ですが。そういった意味では、日本の家庭事情に視点を向けた大胆な記事であると感じます。もし、PS3や360が抱える根本的な問題を考えるなら、なおさら大型テレビの普及とは無縁になると思います。(記事の最後でも少し触れている内容ではありますが)他の方がすでに何度か書いていますが、ゲームの面白さ(&売れ行き)は映像の綺麗さとは比例しません。これは過去のハードとソフトの歴史が何度も証明してきたことであり、現在においても同人ソフトが人気に後押しされてPS2ソフトになるという現象も起こっているくらいです。つまり、一部のAVの専門家やテレビゲームの専門家は『ゲームの売れ行き』と『映像の綺麗さを活かせる』という点を比例させて考えているようですが、ゲームを楽しむ1ユーザーとしては、そこからして「待った」をかけたいところですね。(2007/02/21)

ゲームに映画やスポーツ番組を超える感動があればリビングの大画面を占有できるということで、PS3にはそれがあると思います。Wiiはゲームとしてのそれよりも、Wiiチャンネルでうまくリビングに溶け込もうとしているのでは?メディアはWii=勝ち、PS3=負けという構図にハメたいようですが、エンターテイメント装置としてのPS3のポテンシャルは相当に高いと思います。逆にWiiは、Wiiチャンネルに全く新しいジャンルのコンテンツが出てこない限り、ファミコンの延長でしかないでしょう。(2007/02/19)

私はテレビがリビング一台のものか一人一台のものか存じませんが,双方とも根拠とするデータを提示する必要があるでしょう.話はそれからでは?本題ですが,欧米と日本におけるテレビの生活習慣的な位置づけとゲームを絡めた点で非常に面白いと思いましたが,「大画面テレビが普及すれば、画質に優れたPS3やXpox 360が盛り返す」とは限らない≠「大画面テレビが高画質ゲームを苦しめる」ではないでしょうか.つまり,大画面テレビの普及によるリビングの変化の証明と,その変化が果たして一人向けゲームを低調にしている要因であるのかの証明がなされていないように思います.(2007/02/19)

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