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不器用だから『調理場という戦場』で勝てた
~3つ星のシェフが語る回り道の意味

2007年2月28日(水)

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『調理場という戦場』 斉須政雄著、幻冬舎文庫 600円(税抜き)

『調理場という戦場』 斉須政雄著、幻冬舎文庫 600円(税抜き)

 著者の斉須政雄さんは、東京・港区に店をもつフランス料理店のオーナーシェフ。彼が23歳でフランスに渡ってからの12年間、1つ星から3つ星まで、6店のレストランの厨房をめぐった体験を綴った本です。

 フランス料理というと、洒落たイメージが浮かびますが、口絵写真の斉須さんは、言われなければ魚屋か八百屋のおっちゃん。気取りのないエプロン姿で、親しみやすい笑顔です。それでいて、彼が立つ厨房のステンレス機器はというと、シンプルにして、ピッカピカ(写真を撮るので、というのでもない)。多くを語らずとも、1枚の写真が仕事ぶりを雄弁に物語っています。

 フランスで働き始めた当初は「オランジュ」と言われても分からない。調べて「オレンジのことか」と確認する。メモが増えるばかり。子供のころから呑み込みが悪く、時間がかかってしまう。しかも、異国。「人買いに買われたような」不安と戦いながら、過ごしたそうです。

シェフが彼を選んだ理由

 言葉が分からないぶん、相手のそぶり、声のトーンに敏感になる。誰を頼っていいのか。ダマされまいと、鋭敏になっていく。そうでなければやっていけなかったことでしょう。人より手間がかかり、器用でなかった。この体験記は、どれだけ回り道をして、一つひとつ、仕事にやり方を覚えていったかの軌跡です。

 つまらないことほど人はよく覚えているもので、とくにワタシは、シンクにたまった食器をまとめて洗っているときに、ここに書かれていたエピソードのひとつを思い出したりしてきました。

 斉須さんがフランスに行く、きっかけを掴んだのは、実に細い糸でした。日本に技術指導に来ていたフランス人シェフに、「あなたのお店で働かせてください」と直談判しました。そういう人はたくさんいたし、自分よりも技術で優れた人は多かったはずだ、と斉須さんは言います。

 ツテのない青年がダメモトで声をかけてみる。ここまでは、よくあることでしょう。そしてまた、返事も知れたものです。

 しかし、シェフは最終的に彼を選んだ。たいして話す機会もなかったにもかかわらず。判断の根拠は何か。よほどのお人好しか、霊感が鋭いのか? 後々、シェフはこう説明したそうです。

コメント2件コメント/レビュー

大変面白かったです。飲食業という立場が違う職種でも根底にある大事な部分は同じなんだなと思いました。気が引き締まる思いでした。(2007/03/07)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

大変面白かったです。飲食業という立場が違う職種でも根底にある大事な部分は同じなんだなと思いました。気が引き締まる思いでした。(2007/03/07)

本が読んでみたくなりました。本の紹介は奇を衒わないのが一番ですね。(2007/03/01)

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