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ソニー時代と日本企業の将来を語る!

『迷いと決断 ソニーと格闘した10年の記録』
著者、出井伸之・ソニー最高顧問、クオンタムリープ代表取締役に聞く

  • 宮東 治彦

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2007年3月1日(木)

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IT(情報技術)バブルの絶頂から、ソニーショックと騒がれる苦闘の日々まで――。
ソニー(6758)の経営を10年間担った出井伸之氏が口を開いた。
「時代の変わり目に立ち会った経営者として、自分の経験をすべて書き残すべきだ」。
こう判断した出井氏が、本に書き切れなかったこととは何か。
ソニー時代と日本の将来について、その思いを聞いた。
NBオンライン限定の特別インタビューとして紹介する。

(聞き手は日本経済新聞記者 宮東 治彦)

出井伸之氏 [ソニー最高顧問、クオンタムリープ代表取締役]
『迷いと決断 ソニーと格闘した10年の記録』
新潮新書 700円(税抜き) ISBN978-4-10-610194-6

―― まずは今回、なぜこの本を執筆されたのか、経緯を教えていただけますか。

出井 僕がソニーの経営に携わった1995年から2005年というのは、ものすごい激動の10年だった。日本は不況のどん底に転落する10年だったし、技術的にはインターネットが出てきて、世の中を大きく変えようとしていたわけですよね。

 またそういう中で業界構造も大きく変わろうとしていた。僕が当時日本人として非常に希有な経験をしたのは、1つは、日本の(旧来型の)トランジスタエレクトロニクスの終末を手伝ったという感じがしたことです。その後、日本では、パソコンやCPU(中央演算装置)エレクトロニクスというものが育った。

 いわば、この間、垂直統合型の産業から(部品を組み立てる)水平分業の横産業へ転換したのではないか。これだけ状況が変化すると、技術力よりスケールというものが重要になる。日本のエレクトロニクス産業の再編なども話題になってくるわけですね。そういう激動の中の経験をまとめるのは価値があるなと思ったのです。

―― なるほど。社長、CEO時代の出井さんは、執行役員制度などコーポレートガバナンス(企業統治)の改革と、AV(音響・映像)とITの融合戦略などが記憶に残ります。これらは時代の変化に対応し、意識して改革したのですか。

出井 伸之(いでい のぶゆき)氏

1937年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。60年にソニー入社。95年に社長就任。99年からCEO(最高経営責任者)を兼務。2000年に会長兼CEO。2005年に退社し、最高顧問に。2006年、クオンタムリープを設立し、代表取締役に就任。
(写真 陶山 勉)

出井 そうですね。まずAVとITですが、これは似ているけれども違います。同じ画面があっても、記憶装置があるパソコンと、放送を流し続けるテレビでは、全く違います。使い方も、使う場所も当然違う。ただソニーとしては、どんな利用のされ方であっても必要になる端末を用意し、コンテンツも端末ごとに見せ方を変えればよい。簡単に言ってしまうと、そうした対応がAVとITの融合戦略なわけです。

 もう1つ、ガバナンスについて誤解してほしくないのは、僕は欧米流を真似るつもりは全くなかった。ガバナンス改革をした理由は、米国の映画子会社、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)があったからですね。米国で価値を生んでいる会社をガバナンスするのに、日本みたいな「なあなあ」ではやっていけないから。

―― 改革するには、旧来の路線を否定する必要もありますが。

出井 僕は本にも書きましたが、あんまり旧来の路線を否定していません。昔を否定して経営するのは、楽なものです。何でも昔が悪いと。ただ、前やったことを批判するのは簡単だけど、全部否定していたら非常に安っぽい経営になっちゃう。時代にそぐわないことは変えればいいけど、ソニーの持っているDNA(遺伝子)とか、その会社の持っている本質というところは見失うべきではない。

―― では、ソニーのトップとしてできなかったこと、あるいはやり残したことは何でしょう。

出井 グローバルカンパニーの支配機構ですね。いわゆる本社ですが、会社全体のバランスシートをトータルで見るマネジメントができていないことです。今はニューヨークにいるハワード(ストリンガー)さんがグループCEO(最高経営責任者)として全体を見て、社長の中鉢(良治)さんがエレクトロニクスを見ている。

 ところが、日本の株式会社の社長というのは偉いから、ここでちょっと矛盾が生じかねない。僕は、エレクトロニクスにグローバルの本社機能がついているのはおかしいと思うのです。グループトータルを見られる人は、どこの事業部門にも属していないというのが望ましい。昔の財閥の仕組みというのは、グローバル企業をコントロールするには極めてよくできた仕組みだと思います。

―― それがグループ企業を統括する純粋持ち株会社「ソニー・クリエイティブ・エグゼクティブ」の構想だったわけですね。なぜ実現できなかったのでしょう。

コメント2件コメント/レビュー

在任中のソニーの業績をどう思っているのだろうか。(2007/03/08)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

在任中のソニーの業績をどう思っているのだろうか。(2007/03/08)

「実は官民一体論者」というのは民間企業でうまくいかなかった逃げ口上でないか。せっかくのインタビューなのでソニーの停滞の理由を突っ込んで欲しかった。(2007/03/02)

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