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決断の傍らに『環境リスク学』
~危険と利益の捉え方

  • 漆原 次郎

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2007年3月14日(水)

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 どんな組織に属し、どんな役職に就いていても、多かれ少なかれ「判断」や「決断」に迫られる時があるだろう。品質は良いが納期は守らない企業と、納期は守るが品質は劣る企業のどちらに外注するか。合併に応じることと、我が社を守り抜くことのどちらを選ぶか。仕事を続けることと、会社を辞めることのどちらを選ぶか…。

 選択の結果が出るのはいつも未来。これから起きることについて、どの選択が最良か判断するのは難しい。とはいえ、いつまでもグズグズはしていられない。なにがしかの根拠をもとに「こっちだ!」と判断しなくては。さて、どうしましょう?

的確な決断で、未来を明るく

『環境リスク学』中西準子著 日本評論社、1800円(税抜き)

『環境リスク学』中西準子著 日本評論社、1,800円(税抜き)

 サイコロや占い以外にも、有効な方法がある。「リスク評価」だ。あなたの決断をより的確なものにするだけでなく、人を動かす時の説得材料にもなるような、大きな力を秘めている。未来を明るくする方法に興味を持ったら、『環境リスク学』を開いてみよう。ん、でも「環境」って…。

 著者は、日本における環境リスク学の第一人者。書名からもおわかりの通り、本書のテーマは「ビジネス」ではない。また、「学」とつくけれど、読めばすぐにリスクの計算ができるようになるといった本ではない。にもかかわらず本書をすすめるのは、あらゆる分野に通じるリスクの基本的な捉え方が書かれているから。「リスク」と名のついたそこいらの経営指南書や資産運用本よりも、あなたの仕事や生活に役立つ点はよっぽど多いと思う。

 まずは「リスク」の定義から。著者は「『どうしても避けたいこと』が起きる確率」と説明する。「どうしても避けたいこと」は「エンドポイント」と呼ばれ、本書では、寿命がどれだけ短くなるかを示す「損失余命」がしばしば使われる。ビジネスでのエンドポイントは、やはりおカネの損失となるだろう。

リスクから見えてくるベネフィット

 また、リスクを「ベネフィット」と表裏一体で考えることも重要と述べる。未来には危険がある分、利益もあるということ。たとえば、魚を1日20グラム余分に食べることは、年間0.1人の死亡者を増やすリスクに対して、100人の死亡者を減らすベネフィットがあるという。魚を食べるか食べないか、A案とB案とC案のどれを選ぶか、それぞれの場合のリスクとベネフィットを計算するのが、「リスク評価」である。

 考えてみれば「リスク評価」は、誰もが頭の中では瞬時にやっていること。けれども、専門的な方法を用いてリスク評価することには、やはり利点がありそうだ。

 まず、将来に起こりうることを数字として顕在化できること。著者は、リスク評価とは、「影響の大きさや性質を目に見えるようにする」ことだという。いま話題の「見える化」のひとつといえよう。

 つぎに、異なる種類のリスクを同じ天秤で比べられるということ。「エンドポイント」を共通にすることで、たとえば「交通事故に遭う」と「喫煙でがんになる」といった、一見かけ離れたリスク同士も一元的に比較することができるようになる(ただし、数字を出すにはかなりの専門的技術が必要)。

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