• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

娘の中学受験で考えたこと

  • ブルース・ホルコム

バックナンバー

2007年3月9日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今年の受験シーズンもそろそろ終わろうとしています。今年は、我が娘が中学受験に挑戦したこともあり、この1年間は娘の姿をずっと見守りつつ、彼女の将来についてよく考えました。

 これまでの6年間、娘が近所の普通の公立小学校に通ったことで、自分の国と比べながら、私も日本の教育を体験できました。高く評価できる面も少なくなかったのです。

 例えば、日本ではまだ教室の中で、漢字の読み・書き・筆順、算数の計算問題など基本部分の指導に力を入れていますが、欧米やオーストラリアなどではずっと前から、教室の中できちんとしたスペリングや算数の教育をあきらめがちで、パソコンのスペルチェックや電卓にその機能を任せつつあります。また、日本では道徳という授業などで、他人との協力、思いやり、挨拶を含む社会的教育を行っている点も素晴らしいことだと思っています。

 しかし、塾制度について強い疑問を抱くようになりました。本来ならのびのびと遊んだり、家族と多くの時間を過ごしたり、子供の年齢にとって当たり前の環境で成長していくべき小さな子供たちが、学校と並行して別途の教育を受けるために、毎週何時間も塾に通わされています。

 低学年から塾に通っている子供の姿は、放課後によく見受けられる光景です。親にとっては、金銭的負担は重く、またそれを払う余裕のない層にとっては、1つの不公平な障壁となります。

 普通の国では、塾は学校の勉強についていけない子供のためにあります。エリート育成が目的ではないのです。日本や韓国などでは、近年、塾に通わない生徒は少数派になっていて、時には、友人関係やつき合いにまで塾が影響を及ぼすこともあるようです。

 その結果、子供の将来に対する親の不安を利用する巨大な塾産業が出来上がっています。まるで、日本の公式教育制度を乗っ取ってしまったようです。塾が、日本全国を網羅するシステムとなっていること自体が、日本の公式教育制度と文部科学省の失敗を物語っているのではないでしょうか。

 学校現場の教師たちも困っているはずです。多くの生徒は、既に塾で勉強し終わっていることをまた教室で繰り返すわけですから、退屈して落ち着かないのも無理もないでしょう。

 また、エスカレーター式の進学システムはいかがなものでしょうか。私立中学に合格した生徒たちは、進学のエスカレーターの最初の一歩を踏むことになります。高校までのエスカレーターもあるし、大学付属の場合は、大学卒業までのエスカレーターに乗って、すんなりと進学していける将来を手にします。

 これでは、生徒たちの将来がほんの12歳の時に決まってしまうわけです。試験や論文の内容によってではなく、出席率によって学生を評価しがちな大学が多いため、最初にエスカレーターに乗ってしまえば、(最悪の場合は)生徒は、10年後の大学卒業まで、まじめに必死に勉強しなくても、気楽に進んでいくことができるのです。

 常識的な教育制度では、思春期頃からそれぞれの子供の成長段階に合わせて、試験や評価の厳しさを増していくでしょう。思春期直前直後の子供にとっては、中学受験の影響力は大きすぎると思います。下手をすると、微妙な年齢の子供の心身の成長を妨げることも考えられます。

コメント0

「生きる~ニッポンの風に吹かれて」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック