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(1)耐震偽装マンションは、今どうなっているのか

  • 山岡 淳一郎

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2007年3月23日(金)

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 平穏なマンション生活を送っている人には、耐震偽装事件なんて「対岸の火事」としか思えないだろう。

 だが、国交省のサンプル調査によれば10階建て程度のマンションの7%が耐震強度不足なのだという。実は、私たちは公権力が建物の「補強」や「建て替え」を迫ってきたら逃れられない網の中で暮らしている。そのことに多くの人は気づいていない。

 耐震偽装事件では、明日にでも震度5強の地震が起きてマンションが倒れるかのように危険が煽られ、建物の「使用禁止命令」が出されて被害住民は追い立てられるようにしてマンションを離れた。ヒューザー物件(旧グランドステージ)11棟は、保有水平耐力が0・5未満だから「建て替え」と決めつけられた。建物の実態的な強さが確かめられることもなく、住民は膨大な二重債務を背負わされつつある。

 この理不尽な処遇を「当たり前」とする感覚は空恐ろしい。「偽装・建て替え」は、既存のマンションにも影響を及ぼすはずなのだが。

あなたのマンションを「建て替えたがる」人々がいる

「お宅は老朽化が進み、欠陥も見つかった。危険なので建て替えろ」

 こんな建て替え命令を求める建設業者、それを出したがっている行政関係者は大勢いる。建設業界はマンション建て替えが次の大市場を創出すると見ており、業界と天下りで結びつく官界もこれを後押しするからだ。

 かつて大手ゼネコンの売り上げは、オフィスビルやマンションなどを建てる「建築分野」と公共工事に直結する「土木分野」がほぼ拮抗していたが、近年土木の占める割合は下がり、特に小泉政権以降、土木工事は激減。両者の売り上げ比は7対3もしくは8対2となっている。築後30年以上の高経年マンションが100万戸のオーダーに達しつつある現在、業界には、その建て替えが「宝の山」と映る。

 しかし、マンション住民にとって建て替えは難行苦行である。

 住宅建設を「スクラップ&ビルド」型の景気浮揚対策でとらえがちなことが、日本社会の構造的問題だ。私は、拙著『あなたのマンションが廃墟になる日――建て替えにひそむ危険な落とし穴』(草思社)や『マンション崩壊 あなたの街が廃墟になる日』(日経BP社)でそれを訴え、評伝『後藤新平 日本の羅針盤となった男』(草思社)を通して、都市形成の思想的核になる「公共」と「私権」についても触れた。

 しかし大状況は急激には変わらない。一方では「幸せ」を求めて、今日もマンションの広告に目を通し、購入に踏み切る人々がいる。ならば現実を見すえて、実際のマンション生活を少しでも幸せに導ける方策を立ててみたい。

 幸せは、購入前に万全を尽くしたとしても、それですぐに手に入るわけではない。購入した後、そこから集合住宅というアカの他人どうしが一緒に生活する場での幸せづくりが始まる。建物を維持・管理するノウハウ、その資金の調達とマネジメント、他人がひとつ屋根の下で暮らすコミュニティーの育成、災害や事件・事故への対処、少子高齢化とのかかわりなど、住民が「管理組合」という共同体を核に乗り越えなければならないハードルは多い。

 人が幸せに暮らせるマンションとは、どのようなモノとコトを備えているのか? 実践編に入る助走として、世間が記憶の彼方に押しやろうとしている耐震偽装マンションの「いま」に焦点を当ててみたい。

建て替えに追い込まれてから、はしごを外される

 耐震偽装事件に巻き込まれて「建て替え」に追い込まれた、あるマンションの住民たちに、3月18日付で「家賃助成の調整について」という文書が配られた。差出人は、そのマンションが立地する自治体の都市計画部長。

コメント17件コメント/レビュー

●こちらのコメントは3月23日に編集部で【】内を削除して掲載しました。3月30日に第2回の記事へのコメントで、投稿された方より「重要なところを削除して掲載するのはやめていただけませんか?曲解されて変な反論などされるのは非常に不名誉です」とのお申し入れがあり、再度全文を掲載致します。編集部側からのご説明は、第2回のコメント欄をご覧下さい

耐震偽装マンションの件、被害者とされる住民への対応はまったく理不尽ではない。私自身マンションを購入したが、その前に建築関連の書籍を読んだり、ゼネコンの友人に工事のプロセスや適正価格を聞き、その上で物件を選んだ。家というのは大きな買い物なのだから、事前に勉強してから買うのが普通だろう。購入を検討していた当時、ヒューザーの物件の広告も見たが、どう見ても「構造材やコンクリの骨材で手抜きしているだろう」と分かる内容だった。ヒューザーの件【の自称被害者の連中】は【単に勉強不足なだけ。】「安物買いの銭失い」そのものだ。【勉強してから買う人間からすれば、歯牙にもかけない安普請を買ったわけだから。彼らに】課された負担は、所詮は「適正価格」との差額なのだから、払うことで【彼らは】損をしたわけではない。(2007/03/30)

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●こちらのコメントは3月23日に編集部で【】内を削除して掲載しました。3月30日に第2回の記事へのコメントで、投稿された方より「重要なところを削除して掲載するのはやめていただけませんか?曲解されて変な反論などされるのは非常に不名誉です」とのお申し入れがあり、再度全文を掲載致します。編集部側からのご説明は、第2回のコメント欄をご覧下さい

耐震偽装マンションの件、被害者とされる住民への対応はまったく理不尽ではない。私自身マンションを購入したが、その前に建築関連の書籍を読んだり、ゼネコンの友人に工事のプロセスや適正価格を聞き、その上で物件を選んだ。家というのは大きな買い物なのだから、事前に勉強してから買うのが普通だろう。購入を検討していた当時、ヒューザーの物件の広告も見たが、どう見ても「構造材やコンクリの骨材で手抜きしているだろう」と分かる内容だった。ヒューザーの件【の自称被害者の連中】は【単に勉強不足なだけ。】「安物買いの銭失い」そのものだ。【勉強してから買う人間からすれば、歯牙にもかけない安普請を買ったわけだから。彼らに】課された負担は、所詮は「適正価格」との差額なのだから、払うことで【彼らは】損をしたわけではない。(2007/03/30)

国のせい?行政のせい? でも、そんな政府が成立するような投票した人が、日本では多数派なんですけどねぇ…(2007/03/26)

以前に会社の不動産部門にいたため、建築業界、不動産業界の事を多少ともかじりました。そして自分でマンションを買うとき、私は売主をみました。建設会社はどこであろうと100%信用はおけない。その建設会社は大手で、そこの支店の部長も知っていましたが。販売代理店は逃げます。設計・建設も逃げます。売主・ディベロッパーも逃げます。私は逃げられない会社を選びました。何かあって責任逃れをしたらどうなるか。その会社が逃げたら、次の日からその会社に、その会社の所有地に融資をして建物を建てているにも係らず、抵当権も設定させてもらえない取引先が、ずらりと並ぶはずだからです。おかげさまで、その数年後値下がりはしましたが、それなりの値段で売却しました。今は一戸建てに住んでいます。(もちろん一戸建てもリスクはありますが。)確かに購入者が怒るのも無理はないです。国もおかしい。しかし、国がおかしいのは今に始まったことではないです。残念ながら自己防衛するしかないのでしょう。(2007/03/25)

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三品 和広 神戸大学教授