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イギリスで急成長を遂げた「クラシックFM」

そこから日本の放送局は何を学べるか

  • 林田 直樹

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2007年4月26日(木)

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クラシック音楽シーンを激変させた民間放送局「クラシックFM」

 イギリスで1992年に誕生し、たちまち大ブレイクして欧州クラシック・メディアの最大勢力の一つにまで急成長した民間放送局「クラシックFM」をご存知だろうか?「クラシックFM」の公式サイトによれば、現在は全英で約620万人のリスナーがいて、そのうち40万人は子どもたち、という浸透度を誇っている。これはBBC(英国放送協会、1927年設立)の音楽専門放送Radio3をはるかに超え、イギリスの民放ラジオ局全体としても最大規模である。

 現在、「クラシックFM」ではFM放送以外に24時間ノン・ストップのデジタル衛星テレビやケーブルテレビ、デジタルラジオを展開し、ストリーミング放送やポッドキャストでの配信も行っている。さらには老舗の「グラモフォン」誌や「BBCミュージックマガジン」誌をしのいでイギリスで最大部数を誇るクラシック音楽専門雑誌を発行し、レコードレーベル、ライブコンサート、書籍の出版、チャリティー活動までも行っている。特徴的なのは、これらがすべて「クラシックFM」という同一ブランドで展開されていることだ。

 「クラシックFM」の番組は、日本からでも一部ストリーミング放送やポッドキャストで聞くことができる。これを聞いてすぐにわかることは、編集が非常にスピーディーなセンスによって行われていることであり、ポップなリミックス感覚で、クラシック音楽の「さわり」が次々と耳に飛び込んでくることである。登場するゲストもビッグネームばかり。指揮者のサイモン・ラトル、歌手のアンナ・ネトレプコ、作曲家のカール・ジェンキンスやジョン・アダムズ、さらにはポップスでもクラシックと関連性の強いアーティストたち、たとえばスティング、ポール・マッカートニー、エルヴィス・コステロといった面々の肉声が毎週のように聞ける。クラシックファンならずとも、この知的でクール、かつ親しみやすい雰囲気にはきっと引き付けられてしまうはずだ。

音楽を細かくちぎって編集するアイデア

 イギリスでの生活経験の長い音楽学者の岡部真一郎氏(明治学院大学教授)は「クラシックFM」の印象についてこのように語る。

 「ロンドンではタクシーの運転手も流しっぱなしにしているくらい、『クラシックFM』は人々に浸透していました。じっくり大曲を鑑賞したい人には適さないかもしれないけれど、いつも短い名曲をたくさん流してくれるおかげで、その曲に馴染みができる人も多かったと思います。ある意味、クラシック音楽の聴き方を変えたかもしれません。特定の曲のワンフレーズだけを編集したものを、何度もかけたりする。そうやって耳について大ヒットしたのが、グレツキの交響曲第3番『悲歌のシンフォニー』でした。私は『のだめカンタービレ』はアニメよりもドラマの方が面白かったんですが、あれを見ていてすぐに『クラシックFM』を思い出しました。音楽的な印象がとても近いんです」

 1990年代の後半に日本でも東芝EMIから発売された「クラシカル・エヴァー!」シリーズの大ヒットも、元はといえばイギリスが震源地である。クラシックの名曲をどんなに大曲であっても6分以内に編集してまとめてしまうこのコンピレーション・アルバム(編集企画盤)は、全世界で1000万枚以上のセールスを記録したが、発売当初、日本のクラシックの音楽評論家たちは見向きもしなかった。偉大なる名曲を途中でカットするなど言語道断というわけである。しかし、今やこのシリーズは日本でも幅広い層からの絶大な支持を受け、東芝EMIのドル箱企画となっている。しかし、本来このコンセプトの発祥はイギリスであり、その成功の裏にはおそらく、クラシック音楽を細かくちぎって編集することを恐れない「クラシックFM」の浸透があったはずである。そして3大テノール、バイオリニストのナイジェル・ケネディ、ヴァネッサ・メイなど、クラシカル・クロスオーバーのヒットの陰にも「クラシックFM」の編集手法は大きな影響力を示してきた。

クラシック音楽専門局「オッターヴァ」を始めたTBSラジオの狙い

 日本でもこの4月からTBSラジオがクラシック音楽専門局「OTTAVA(オッターヴァ)」を立ち上げた。筆者もそのプレゼンターとして番組に携わっている一人だが、これは文字通り、完全にイギリスの「クラシックFM」をお手本にしたものである。TBSラジオ&コミュニケーションズの三村孝成デジタル推進部長は次のように語る。

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