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恐竜から哺乳類へ進化の過程をたどる

『祖先の物語 ドーキンスの生命史 上・下』 リチャード・ドーキンス著 垂水雄二訳 小学館刊 各3200円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2007年4月27日(金)

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『祖先の物語 ドーキンスの生命史 上・下』 リチャード・ドーキンス著 垂水雄二訳

『祖先の物語 ドーキンスの生命史 上・下』 リチャード・ドーキンス著 垂水雄二訳

 これは壮大な巡礼物語だ。著名な遺伝進化学者ドーキンスは、自らチョーサーの『カンタベリー物語』の巡礼者の1人になることを宣言する。カンタベリーを目指す人々に毎日誰かが加わる。加わった人物は夜に1つの物語を語って聞かせなくてはならない。

 巡礼の旅は人類の現在から始まる。そして進化の道程を遡っていく。そのうちにボノボやチンパンジーが巡礼の列に連なってくる。さらにゴリラもオランウータンも。合流してきた巡礼仲間の物語を、ドーキンスは丹念に記述し、著者独特の饒舌さで物語っていく。

 合流のことを、著者は「ランデブー」という独特の用語を導入する。そして現代の人間からこの巡礼を始めると、わずか40のランデブーを経ることで、単細胞生物にたどり着くのだ。

 本書は総序から始まって、ランデブーゼロから、ランデブー39を経て、カンタベリーにたどり着く構成になっている。カンタベリーで巡礼者は岩石の隙間にへばりつく小さな生命の最初の塊(真核生物)に出会うことになる。

 ドーキンスはこの巡礼でダーウィンの進化論から一歩も踏み出さない。そこに恐らく本書の説得力が秘められている、と思う。

 では人間の進化をちょっと遡ってみよう。巡礼が700万年から500万年のあいだ歩み続けた時に、巡礼は2人連れにランデブーする。これが【ランデブー1】。チンパンジーとボノボが合流してきたのだ。【ランデブー2】ではゴリラが、【ランデブー3】ではオランウータンが道連れになる。

 やがて生物の種の巡礼(カンタベリーへの巡礼)は次第に大きくなっていき、40で小さな目に見えないほどの細菌が仲間に入ってくる。

 巡礼は、ドーキンス一流の饒舌さでふらふらと脇道に道草を食いながら、それでもついにカンタベリーにたどり着く。その大聖堂の伽藍こそ、地球上に生命が初めて生まれた場所なのだ。

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