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2006年は「第2のアタリショック」の年だった

ゲーム市場を揺るがす四半世紀ぶりの地殻変動

2007年4月27日(金)

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 テレビゲームビジネスに、およそ25年ぶりの大変動が起きています。

 まずは、各種のデータをご紹介しましょう。社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が発行する「一般生活者調査報告書」によると、2006年の家庭用ゲーム出荷金額が1兆6323億円を記録。これは過去最高の記録となり、ゲーム業界が空前の好景気に沸いていることが判明しました。

 これを牽引したのは携帯ゲーム機です。国内のソフトウェア出荷規模に目を向けてみると、携帯ゲーム機用ソフトだけで3112憶円を記録。これは2年前の2357億円に比べると、約30%以上の大幅な伸びとなっています。金額でも全体の約57%、ソフト本数で約63%を占めました。携帯ゲーム機が市場の主役となり、据え置きゲーム機がその座を去ったことが明らかになりました。

 数字上でも、やはりニンテンドーDSの勢いは凄まじいものでした。国内のソフト出荷金額では全体の44.4%を占めます。たとえば、任天堂の看板ソフト「Newスーパーマリオブラザーズ」は販売本数は400万本を突破し、いまなお順調に売り上げを伸ばしています。このままいくと、もはや追いつけるソフトは出てこないのでは? と言われていた1985年発売の初代「スーパーマリオブラザーズ」に続き、2007年内にはゲーム史上2作目の500万本突破を達成するかもしれません(注:色違いバージョンを同一ソフトとして集計するならば、歴代の「ポケットモンスター」シリーズも500万本を突破しています)。

2006年は「第2のアタリショック」の年

 じつは、この状態は、1983年の「アタリショック」の状態に酷似しています。

 ――と宣言すると、詳しい方は驚かれるかもしれません。なにしろアタリショックというのは、この年の北米における「ゲーム市場の崩壊」を指す言葉ですからね。

 よほどゲームに詳しくないとご存じないと思いますが、1980年代前半、全世界での普及台数を1400万~1500万台まで伸ばし、ゲーム市場に君臨していたゲーム機がありました。それが「ATARI VCS」です。しかし1983年、この巨大市場は瞬く間に終了しました。ソフト・ハードともに売り上げが急落し、わずか数カ月で、テレビゲーム市場全体が壊滅的に崩壊したのです。この事件が、後に「アタリショック」と呼ばれるようになったのです。

 その最大の理由は、ソフトの粗製濫造――つまり、質の悪いゲームが増え、その結果としてユーザー離れが起き、それがゲーム市場そのものを崩壊させたと説明されることが多いようです。現在でも「つまらないゲームが増えると市場が崩壊する」ことを指す言葉として、アタリショックという言葉が使われています。

 しかし、アタリショックというのは、このようにして一面的にとらえるべきものではありません。実は、1983年のゲーム市場を「据え置きゲーム機 VS 携帯ゲーム機」という視点で見てみると、まったく違った顔を見せるからです。

ゲーム史上初の携帯ゲーム機の躍進

 1980年代というのは、デジタルエンタテインメント市場で、LSIゲームが急速に台頭してきた時期にあたります。その代表格が、日本で社会現象となった「ゲーム&ウォッチ」ですね。日本における最盛期は1982年あたりでしょうか。もちろん「ゲーム&ウォッチ」は米国にも進出しており、巨大なブームを巻き起こしています。これは、ちょうどアタリショックの時期と重なるのですね。

 「ゲーム&ウォッチ」を、外でも気軽に遊べる携帯ゲーム機だと考えるならば、1983年のアタリショックが、まったく違う顔を見せることが分かるはずです。

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「2006年は「第2のアタリショック」の年だった」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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