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『われはロボット』で、我を知る

~もうひとつの改憲論議、SF古典の「三原則」

  • 漆原 次郎

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2007年5月23日(水)

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 景気は上向き。団塊世代の退職は進む。いまニッポンは、あちこちの業界で人材不足。引退した世代を再雇用したり、フリーターを活用したり、企業は労働力の確保に躍起だという。

 そんな時代にあって、未来を担う“新しい働き手”として、大きな期待を寄せられている“人材”をご存じだろうか。

『われはロボット〔決定版〕』 アイザック・アシモフ著、小尾芙佐訳、早川書房、724円(税抜き)

われはロボット〔決定版〕』 アイザック・アシモフ著、小尾芙佐訳、早川書房、724円(税抜き)

 ロボットだ。

 かつてはもっぱらマンガの世界を活躍の場としていたロボットである。いまの世の中でも、工場で働く産業用か、趣味に興じたごく一部の人を癒やす愛玩用がほとんどで、まだ身近な存在とは言いがたい。

 しかし、着実にロボットは私たちのすぐ近くに姿を見せ始めているのも確か。食事の手助けをする介護ロボットは福祉施設で導入された。また、ビルの入り口では受付嬢ロボットがあなたを出迎える。お上も、「ロボット技術による働きやすい環境が、みんなで働き支え合う社会に寄与する」(科学技術白書)として、ロボットによるイノベーションを積極的に支援している。

 会社にパソコンが1人1台導入された10年前、コンピューターが苦手な社員は“仕事のできないやつ”というレッテルが張られた。同じように、「お前はロボットの使い方も下手だな」と上司に見下されたり、「部長、ロボットに腹立てないでくださいよ」と部下の失笑を買ったり、将来の職場では、そんな状況も現実のものとなるだろう。

来るべき時代に備えて3原則を学ぶ…?

 “仕事の成功は、ロボットとの接し方・生かし方次第”という時代はきっとやってくる。心構えとして、『われはロボット』を読んでおくのはかいかが。1950年に、SFの巨匠アイザック・アシモフが9つの短編を束ねた、“ロボットもの”の古典的名作だ。

 物語の前提になるのが、本の最初に記されている「ロボット工学の3原則」。

第1条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第2条
ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。
第3条
ロボットは、前掲第1条および第2条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。

 つまりは、“人間のために、安全たれ、従順たれ、長生きたれ”という、“ロボットの憲法”だ。SFの中で誕生したにも関わらず、半世紀以上たったいまも、“護憲”“改憲”“論憲”を含め、ロボットに携わる人たちの間で大きな論議を巻き起こしている。影響力はとても大きい。

 ところが、驚くべきことに、本の中の9つの短編では、ロボット工学の3原則が通じない盲点や矛盾が、次々とアシモフ自身によって暴かれていく。これこそが、近い将来の私たちが似た状況を体験するかもしれない、ロボットとの接し方のケーススタディになる。

コメント1件コメント/レビュー

ロボットといえば、ほとんど覚えていない鉄腕アトムや鉄人28号よりも、やはりアシモフですよね。アシモフのシリーズで最も感動的で、涙なくしては読めない『ロボットと帝国』も広く紹介していただきたいと思います。アシモフ亡き後に、ベアやブリンら3人が書きついだ帝国シリーズも、人類のために正しいことは何かをめぐってロボットの間にセクトができたり(ロボットが存在を駆逐されるようになるのは、結局のところ人間よりも優れているからなのですが)、面白いので幅広い人々に読んでほしいと、SFファンとして願っています。(2007/05/24)

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ロボットといえば、ほとんど覚えていない鉄腕アトムや鉄人28号よりも、やはりアシモフですよね。アシモフのシリーズで最も感動的で、涙なくしては読めない『ロボットと帝国』も広く紹介していただきたいと思います。アシモフ亡き後に、ベアやブリンら3人が書きついだ帝国シリーズも、人類のために正しいことは何かをめぐってロボットの間にセクトができたり(ロボットが存在を駆逐されるようになるのは、結局のところ人間よりも優れているからなのですが)、面白いので幅広い人々に読んでほしいと、SFファンとして願っています。(2007/05/24)

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