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『社歌』はミニマム企業論だ!

歌えばわかる、日本産業ヒストリー

  • 石原 たきび

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2007年6月6日(水)

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 冒頭の一小節は「あしたの空には雲もにおい 夢さえつやめく小夜のしらべ」。

『社歌』 弓狩匡純著、文藝春秋、1095 円(税抜き)

社歌』 弓狩匡純著、文藝春秋、1095 円(税抜き)

 男と女の恋模様を唄った演歌…ではない。国内最大手の化粧品メーカー、資生堂の社歌なのだ。終戦後すぐの1946年、当時の社長が「資生堂全体が意気消沈している」という理由から作らせたという。社歌に“団結旗”としての役割を期待したのだろう。

 本書は、こうした日本を代表する企業40社の社歌(正式な社歌ではなくテーマソングや愛唱歌的なものも含む)を掲出。制定の背景を含めたていねいなレポートからは、創業者や社長の経営哲学はもちろん、企業の成長の足跡までもがうかがい知れる。社歌紹介の姿を借りた“企業論”ともいえそうだ。

 40の社歌はカラーも様々。しかし、やはりいちばん多いのが“誇りと責任”を歌い上げるもの。「このてのひらが せかいをひらく」(川崎重工)は油が染み込んだ熟練工の手が目に浮かぶ。「とびらの鍵束あずかるわれら」(関西電力)の「とびら」とは“繁栄の扉”の意。「産業文化に魁(さきがけ)て 国の礎(いしずえ)築くなり」(大成建設)からは建設業の矜持が見え隠れし、「世界の文藝春秋に 民族の香をかおらせん」(文藝春秋)のように「恐れ入ります」としか言いようがない歌詞もある。

「誠意をこめて築きゆく 若い力のプリンター」

 また、自社の看板商品を織り込むパターンも目立つ。「ジェットはのぼる 今日の夢 明日へとになうつばさ」(日本航空)、「社運を担うカラオケの 業務に生きるこの誇り」(第一興商)、「誠意をこめて築きゆく 若い力のプリンター」(凸版印刷)などがそれ。「流せ ぼくらのTOTOべんき でっかいうんち ちっちゃいうんち」(TOTO)、「神様とまでは言わないが 大事にしましょうお客」(吉本興業)といった傑作も見逃せない。

 いずれも名文、名調子。作詞家・作曲家には中山晋平、山田耕筰、服部良一、芥川也寸志、谷川俊太郎といった、そうそうたるプロの顔ぶれが並ぶ。しかし、意外だったのは社員が作詞するケースも多いということ。プロが補作したものも含めると、本書に載っている社歌のうち半分がそうだった。

 ちなみに、歌うシチュエーションは「入社式や新年の幹部会」(キヤノン)、「創立式典や新人研修、工場の全体朝礼や親睦会」(京セラ)などが多い。なかには「始業前や終業時などに鳴るチャイム」(トヨタ自動車)や「電話の保留音」(大鵬薬品工業)として活用している企業や、「都市対抗野球のラッキーセブンの攻撃前に歌う」(三菱重工業)といった例もあった。

 しかし、フリージャーナリストである著者は、なぜ社歌に興味を持ったのか。まえがきにはこう書いてある。

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