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鹿児島で虫捕り

2007年4月24日~25日

2007年5月23日(水)

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 屋久島から鹿児島に戻った23日の夜は、市内の大谷会館で講演。24、25日の二日間は鹿児島に滞在する予定。講演は無事に済んだから、鹿児島での仕事はない。

 ただし24日には、中央公論新社の取材陣がわざわざ鹿児島に来るという。私が大学生の頃は、鹿児島まで特急で24時間かかった。いまは便利で、おかげで不便になった。逃げようがない。ラオスでは、ヴェトナム国境のナンパオに近い山中で虫を捕っていたら、日本から原稿の催促電話がかかってきた。同行者のケータイの番号を自宅に教えたのがいけなかった。

 ともあれ、取材は相手が来てからの話。来るまではこっちのもの。途中で事故があって来られないかもしれないし、インタビューの場所はできるだけ遠くがいい。もっと遠くにして、これから行く石垣島にしようかとも提案したが、さすがに相手が二の足を踏んだ。取材は虫捕りの邪魔だし、鹿児島にしておいて正解。どうせ夜は虫捕りができないんだから、取材があってもいい。

鹿児島の蝶 ムラサキツバメ

鹿児島の蝶 ムラサキツバメ

鹿児島の蝶 テングチョウ

鹿児島の蝶 テングチョウ

鹿児島の蝶 イシガキチョウ

鹿児島の蝶 イシガキチョウ

 鹿児島について、すぐに福田晴夫さんのお宅に電話。24日の虫捕りをどうするか、考えていただく。福田さんは知る人ぞ知る、蝶類学会の元会長さんで、アサギマダラのマーキング調査など、さまざまな虫の研究で知られている。学校や博物館のお仕事は、もう引退された。たいへん温厚な方で、人格者として定評がある。福田さんには迷惑な話だが、鹿児島に来ると、どうしてもお目にかかりたくなるお人柄である。

 鹿児島の人は、焼酎を飲んでは喧嘩する。そう思っていたが、むろんそれは間違い。現代の蝶屋の世界では、東京近辺の人が七十歳を越えても喧嘩している状態。おかげで蝶類学会が二つになってしまった。たぶん東京という場所がよくないのだと思う。虫だって、ロクなものはいない。環境が悪いから、人間がイライラする。識者はすべからく田舎に住むべきであろう。

 養老のことだから、虫捕りに連れて行け、に決まっている。そんなことは先刻おわかりだから、24日の朝にうかがうと、薩摩半島に行きましょうと、福田さんがいう。ご自分で運転してくださって、まずは烏帽子岳に行く。いくらか樹林が残ってますから、といわれる。なるほど上の方に神社があって、太い木が残っている。ただし目の下が鹿児島湾で、一方の斜面は海風が上がってくる。私には偏見があって、海風の来るところは、虫に好かれない。長年鎌倉に住んだ経験から、そう思っている。

 鹿児島から指宿まで、標高五百メートルほどの尾根を指宿スカイラインが通っている。この尾根は、鹿児島湾という火口の西側火口壁だと、あとで気づいた。火口のなかに、桜島が噴出したことになる。われわれの車以外、ほとんどだれも通らない。高速道路なんか通らなくても、海岸沿いの通常の道路で間に合うからだという。道路わきは照葉樹林が続き、虫屋のための道路ではないかと思ってしまう。

 雨が途中でやっとやんだので、次に行きましょうと、今度はその先の千畳平に行く。公園になっているが、元は草原で、面白い虫がいたという。いまは日本中から草原が消えている。ここも点々と木が生えだしており、公園にしたから、手入れがいい。おかげで珍しい草はほぼなくなりました、と福田さんはいう。

コメント1件コメント/レビュー

時々違和感を持っていたのですが、この記事は大変面白かったです。しかし、記事の内容は、とても参考になった感想とは違います。とても参考になった、と面白かったとを、同じカテゴリーに入れるのはどうでしょうか。ラスヴェガス。(2007/05/23)

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「鹿児島で虫捕り」の著者

養老 孟司

養老 孟司(ようろう・たけし)

東京大学名誉教授

解剖学者/作家/昆虫研究家。1937年生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ。95年東京大学医学部教授を退官し、その後北里大学教授に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

時々違和感を持っていたのですが、この記事は大変面白かったです。しかし、記事の内容は、とても参考になった感想とは違います。とても参考になった、と面白かったとを、同じカテゴリーに入れるのはどうでしょうか。ラスヴェガス。(2007/05/23)

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