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第4回 名品『日月山水図』屏風との出合い

そこに描かれたのは日本独自の自然表現の極致

  • 宮島 新一

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2007年5月24日(木)

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 1966(昭和41)年の秋の特別展は東京国立博物館が「江戸美術展」、京都国立博物館が「新陳列館完成記念特別展」だったが、ともに印象が薄い。京都国立博物館の新陳列館の貧相さには、「これが国立博物館か」とがっかりしたことを覚えている。最近、やっと建て直すことが決まったと聞いた。設計者は東京国立博物館の法隆寺館を手がけた人だと聞いているので安心し、かつ、期待している。東京国立博物館ではあの建物がもっとも気に入っているからだ。

日本人であることが日本美術の理解を妨げている

 この年は大阪市立美術館の「中国美術5000年展」が圧倒的な規模で、見応えがあった。私にとっては初めての中国絵画の名品との出合いだった。特に、定評のある宋元画だけでなく、明や清時代の文人画にも好印象を持ったことがカタログに付けられた○印によって分かる。わたしは日本の文人画よりも先に中国の文人画に親しんだことになる。そのせいもあって日本の水墨画にはなかなかなじめなかった。

 日本の絵画よりも先に中国の絵画に親しんだことを意外に思われるかもしれない。しかし、ある意味では当然である。仏像の場合と同じ理由が考えられる。中国の山水図は唐代に大きな変化をとげ、西洋のパースペクティブに近い表現をこの段階で実現している。彫刻が同じ頃に人体の自然なモデリングを獲得しているのと一緒である。おそらく、ともに西方からの影響を受けたのだろう。日本だけがその影響から免れていたのだ。すっかり西洋の視覚に慣らされてしまっている今の私たちは、かつての印象派の画家たちのように見知らぬ芸術に出合ったと思わない限り、日本の絵画の魅力には到達できない。日本人であることが日本美術の理解を妨げている、という不思議な構図がそこにある。

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