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第2回 フォアグラとトリュフの付け合わせが基本素材

ロッシーニは3度泣いたことがあるというが……

  • 水谷 彰良

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2007年5月28日(月)

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トゥルヌドの由来

 前回紹介したトゥルヌド・ロッシーニ、すでにレストランで舌鼓を打った食通も多いことだろう。では皆さんは、料理の名称「トゥルヌドtournedos」の由来をご存じだろうか。その語源は不明とされており、博学なシェフ、レイモン・オリヴェも著書にこう記したほどだ──「我々はロッシーニの名をもつトゥルヌドが彼自身の創作であると知っている。だが、トゥルヌドという言葉の語源を知らぬ」

 しかし、イタリアの料理研究家マッシモ・アルベリーニは『食卓4000年史』(1972年)に次の逸話を紹介している。

 ある日、ロッシーニは新しい肉料理を思いつき、自分のコックに調理させた。台所で調理手順を監視する主人を邪魔に思った料理人が「そんなことをされてもうまく作れません」と嘆くと、ロッシーニは答えた。「それならよそを向いて調理したまえ、私に背を向けてね(tournez moi le dos)」

 そう、フランス語に言う「背を向けろ/そっぽを向け」がトゥルヌ・ル・ドtourne le dosなのである。そしてロッシーニの一言が、そのまま料理名になってしまったのだ。

ロッシーニ料理の食材トリュフ

トゥルヌド・ロッシーニのフォアグラ(下)と3切れのトリュフ

トゥルヌド・ロッシーニのフォアグラ(下)と3切れのトリュフ (撮影:小川玲子)

 トゥルヌドそれ自体はフィレ肉の上等な部位だから、そのステーキを「ロッシーニ風」と称するには別な条件がいる。それが肉に乗ったトリュフとフォアグラ。この組み合わせをロッシーニが頻繁に料理へ用いたことから、現在は料理用語辞典でも「ロッシーニ風」を「トリュフとフォアグラの付け合わせ」と説明している。世界3大珍味のうち2つのカップル、ロッシーニはそれを自分の料理の基本素材にしたのである。

 イタリアの研究家アーダ・ウルバーニによると、トリュフ(truffe [仏]、tartufo [伊])に関する記述は紀元前3000年のメソポタミアに遡(さかのぼ)る。もちろん古代ローマでも珍重されていたが、イタリア半島では採れずに中近東や北アフリカから輸入したという。その後、帝政ローマ末期に忘れられ、再び王侯貴族の食卓を飾ったのはルネサンス時代であった。ブリア=サヴァランが「料理のダイヤモンド」と呼んだこの珍味、ロッシーニは作曲家らしいニックネームを与えた。それが「きのこのモーツァルトMozart dei funghi」である。

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