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野焼きが守るエコ・システム

カンザス州に残る「米国の原風景」

  • 藤田 宏之

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2007年5月28日(月)

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 19世紀の詩人ウォルト・ホイットマンが「希望に燃え立つ緑の布地」と称えた、広大な草原--。『ナショナル ジオグラフィック日本版』5月号では、米国に現存する“最後の大草原”と言われるカンザス州フリントヒルズを紹介した。



夏が終わるまでに、プレーリーの植物は空と大地からできる限り栄養をとる。やがて草は、赤や茶や薄紫に色づき、風はその種をあちこちに運ぶ。セイタカアワダチソウの花も黄金色に輝くようになる
夏が終わるまでに、プレーリーの植物は空と大地からできる限り栄養をとる。やがて草は、赤や茶や薄紫に色づき、風邪はその種をあちこちに運ぶ。セイタカアワダチソウの花も黄金色に輝くようになる。

 米国に唯一残された「トールグラス」と呼ばれる丈の高い草が広がるこの大草原。近代以降、より豊かで便利な生活を求めて開発を繰り返してきた人類が、その結果失ってしまった何かを思い起こさせてくれる。

 フリントヒルズを目指す現代人は、かつてのように苦労することはない。ミズーリ川を渡ってでこぼこ道を揺られて来なくても、大小さまざまな道路が通じている。しかし、たどり着いて、その風景を一見すると何とも説明しがたい感情がこみ上げてくる。

 地名の由来でもある火打石(フリント)と石灰岩でできたなだらかな丘をのぼり、耳が引きちぎられそうなほど強い風に吹かれる。果てしない空、どこまでも続く大地、無限に広がる地平線。思い浮かぶのは「無」という言葉だ。本当に見事なまでに、何もない。

 草がそよぐ丘を歩いてみると、まるで自分が大昔にいるような気分になる。そこには現代社会を思い起こさせる音も風景も何もない。トールグラス・プレーリー本来の生態系を把握するのは容易なことではない。だが、意外な強さを秘めたその本質が見えてくるにつれ、この場所を一つに結びつけているのは、実はこの「草原」なのではないかと思えてくる。



街灯など余計な光はまったくない。トールグラスが生い茂る草原の夜空に天の川が浮かび上がる。星は見えても見えなくても、常に私たちの頭上を巡っているが、最後のプレーリーは、守らなければ地上から消えてしまうだろう。
街灯など余計な光はまったくない。トールグラスが生い茂る草原の夜空に天の川が浮かび上がる。星は見えても見えなくても、常に私たちの頭上を巡っているが、最後のプレーリーは、守らなければ地上から消えてしまうだろう

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