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ハードボイルドだぞ! 固茹で卵だぞ!

『私のハードボイルド 固茹で卵の戦後史』 小鷹信光 早川書房刊 2800円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2007年6月1日(金)

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『私のハードボイルド 固茹で卵の戦後史』 小鷹信光

『私のハードボイルド 固茹で卵の戦後史』 小鷹信光

 ハードボイルドの戦後史、とあるが、戦前史もいっぱい。ここまで丹念なハードボイルドの戦前、戦後通史は初めての快挙だ。ハードボイルド小説の嚆矢はダシール・ハメットだとされている。フランスの大文豪アンドレ・ジッドが、ハメットの『赤い収穫』を口を極めて褒めたことで、ハードボイルドが市民権を得た始まりだ、とされていた。

 この「事件」を日本探偵小説界の泰斗、江戸川乱歩が紹介したことから、ハードボイルドという言葉が徐々に浸透し始めた。小鷹は、そもそも、この言葉が使われたところから出発する。

 1885年、アメリカ西部ネバダ州に、リノというカジノで名高い町があるが、カジノのディーラーたちが、ケチでしみったれた客のことを、「固茹で卵」と擬人化して使ったのが始まり。それがサンフランシスコに伝わり、あっという間に、ニューヨークのブロードウエイでも、誰もが使うようになった、のだそうだ。

 使った男の名まで分かっている。スパイダー・ケリーという。おっとっと、この名はハードボイルドな文体を用いたヘミングウェイの代表作『日はまた昇る』の冒頭に同名の人物が出てくるが、たぶん同一人物だと小鷹は推測する。

 ハードボイルド。エッグから卵が落ちてしまい、単に「ハードボイルド」という言葉が独り歩きを始めたのは第一次世界大戦中で、次のような意味になった。 「同情を求めたり、期待したりせず、まったく譲歩せず、他人から何かを強いられることを拒む、したたかで、抜け目のない、めはしのきく男という意味」

 ここまで丁寧に定義されてしまうと、ハードボイルドの茹で上がりだ。こんな探偵がいたら、悪漢どもは逃げ出すしかない。ハメットに続いて、レイモンド・チャンドラー、ロス・マクドナルド、ミッキー・スピレーンとアメリカミステリーのハードボイルド系譜はつながっていく。

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