神奈川県・三浦半島の観音崎公園に横須賀美術館が4月28日、オープンしました。同美術館は2007年、市制100周年を迎えた横須賀市がその記念事業として準備を進めてきたものです。館長には洋画家の島田章三氏が就任。開館記念特別展として所蔵作品を中心とする「近代美術を俯瞰する」(7月8日まで)と、現代作家9人の作品を紹介する「生きる」(7月16日まで)が開催されています。
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山の手ではなく、『海の手』文化都市の新美術館
4月26日、私も開館記念式典に参列をしましたが、まずそのロケーションの素晴らしさに目を奪われました。横須賀美術館は三方を豊かな公園の緑に囲まれ、芝生に覆われた北側正面からは浦賀水道が大きく開け、ゆったりと往来する大型船の姿がパノラマの如く目に飛び込んできます。
それはまさしく、横須賀が目指す都市像『国際海の手文化都市』、すなわち海に面した立地を最大限に活用しようとする姿勢を象徴する景観となっています。
横須賀美術館の設計は山本理顕氏によってなされ、周辺環境と溶け合うように建物の約半分は地下に埋め込まれ、高さは低く抑えられています。そして海の潮風に耐えられるように美術館内部はガラスで覆われ、天井や側面に開けられた大小の丸窓からは柔らかな陽光が差し込み、開放的な空間が演出されています。
また展示スペースは1階エントランスホールを囲むように3室、そして地階にも4つの回廊式の展示室が配され、その他にミュージアムショップ、ワークショップ室、図書室、海を眺めるレストランが併設され、屋上広場からは東京湾を一望することもできます。
朝井閑右衛門、谷内六郎を中心とする収蔵作品群
美術館開設の発端は1996年、横須賀市に在住していた洋画家・朝井閑右衛門の作品が一括して市に寄贈されたこと、そして98年に美術館近くにアトリエを構えていた谷内六郎の遺族から作品・資料が寄贈されたことが契機となりました。現在、それらの寄贈された作品は同館の朝井閑右衛門展示室、谷内六郎別館に常設展示されています。
そのほかにも同館では次のような収集方針のもと約4500点にのぼる近現代の絵画、版画、彫刻が収蔵されています。
1.横須賀・三浦半島にゆかりのある作家
2.海を描いた作品
3.日本の近現代美術を概観できる作品
さて、現在開催されている「近代美術を俯瞰する」では菱田春草、小茂田青樹、安井曾太郎、梅原龍三郎ら、20世紀初頭から1960年代までの近代日本美術を俯瞰することができる80余点の名品を展示しています。
そして「生きる」展〜現代作家9人のリアリティは石内都、石田尚志、岡村桂三郎、木村太陽、小林孝亘、清水慶武、船越桂、真島直子、ヤノベケンジら9人の作家の作品によって構成され、現代美術を“生きる”ことのリアリティから改めて問い直そうとしています。
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