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ホッキョクグマを追い詰めたのは誰?

“死の宣告”に等しい地球温暖化

  • 藤田 宏之

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2007年6月11日(月)

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 前回は、地球温暖化の影響でどんどん解けだしている氷河や氷床の現状を報告した。

 温帯の日本で暮らす私たちにとって、氷の世界といえば、生けるものを拒否するかのような冷たさや厳しさをイメージしてしまう。しかし、実際にはその氷が無ければ生きていけない生物もたくさんいる。彼らにとって、現在進行している急激な地球温暖化とそれに伴う「大氷解」は、生活の基盤となる大地が消えていっているのと同じほど、深刻な問題なのだ。

 『ナショナル ジオグラフィック日本版』6月号では、温暖化で生命の危険にさらされている生き物たちの実態を紹介した。

 生命の危険にさらされているのは、ホッキョクグマやアザラシ、クジラなど極北で育まれている生命の数々である。

 以下は、極北の生命を撮り続けているカメラマンのポール・ニックレン氏の報告だ。

 5月のある午後、海中を撮影するために私は、海氷の割れ目からゆっくりと滑り落ちるようにして潜り始めた。ゴム製のフードでくるまれた頭と顔が、しびれるような冷水にさらされ、吐き気をもよおす。

 ここはカナダの北極圏、ランカスター海峡のすぐ南の海。水温はマイナス1.6℃と、海水が凍らないぎりぎりの水準である。

 吐き気をこらえようと、酸素ボンベのマウスピースをぐっとかみしめた。やがて冷たさに慣れてきて、深みへ潜り始めたとき、ふと何かがおかしいことに気がついた。季節が変わったばかりのこの時期、いつもなら海はひたすら青く、単調で、生き物の気配はない。ところが頭上の氷を見上げると、なぜか緑と茶色の筋が見える。しかも動いているのだ。

 私は目を疑い、深度をチェックした。めまいを起こしているのなら、厚さ1メートルの氷の下を単独で潜るダイバーにとって命にかかわる一大事。だが、私はめまいを起こしていたわけではなかった。小さなエビに似た甲殻類が、大きな塊になって群れていたのだ。これまでの経験にてらすと早すぎる--まったく季節外れの繁殖だった。




穏やかな極北の海を泳ぎ、たどり着いた氷山で辺りの匂いをかぐホッキョクグマの母子
。
穏やかな極北の海を泳ぎ、たどり着いた氷山で辺りの匂いをかぐホッキョクグマの母子 。

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