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『書店繁盛記』はトラブル対策のバイブルだ!

名物書店員が綴る本屋さんの悲喜こもごも

2007年7月11日(水)

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『書店繁盛記』 田口久美子著、ポプラ社、1600円(税抜き)

書店繁盛記』 田口久美子著、ポプラ社、1600円(税抜き)

 品揃えと在庫量の豊富さが特色のジュンク堂書店。その池袋店の副店長さんが書いた、エッセイ集だ。

 最近増えている、自費出版本をめぐるウラ事情を明かしている。店のホームページで「自費出版」と分類した本について、出版社の社長から激怒の電話がかかった。「死活問題なんだ。訴えてやる」を連呼し、表記ひとつのことなのに詫び状を出せと迫ったという。確認すると粗雑な造本だった。

 自費出版がメインのその出版社は、有名書店でフツーに販売されることを売りにしている。自費出版コーナーに振り分けられてしまっては、顧客(著者)の手前、面子が立たないということらしいと、怒り声の背景が読めてくる。

 自費出版の多くの会社は入念なマニュアルをもっている。「書店で売るならあと50万、営業マンが販促するならあと50万」と著者から本にするためのお金を頂戴し、利益を得る。製作時点で採算は取れているから、書店で売るよりもどう並んでいるかに意識が集中し、並べる書店員に目が向いていない。社長の猛烈な怒りは、著者からの抗議が発端で「詫び状」は顧客にお見せする戦果となるわけだ。

 事情がわかれば、いくぶん常軌を逸したかに見える「死活問題」の怒鳴り声も納得できてくる。しかし、長い目で見るとスタンドプレイめいた強攻策は得だったか否か。書店は、店頭からその出版社の本は引き上げ、以降の取引を絶ったという。

 ところで、書店にない本を、取り寄せ注文した経験はありますか?

 「時間がかかりますけど、いいですか?」と念押しされ、いつ入ってくるか確約できないとまで言われては、注文を嫌がっているとしか思えない。買うって言っているのに、そのシブシブの態度はないだろうと首をかしげた経験がある人にはぜひ読んでもらいたいのが、「客注にまつわる話」。

(前略)でもー、でも、私たちはまるで役所の窓口のように「かたくなに、実はおびえながら」、えー、他の書店でも探されてはいかがでしょうか、と逃げ腰になる。「なんだ、ジュンク堂が最後だと思ったから来たんじゃないか」とありがたくもおっしゃられると、冷や汗が出る。「別にすぐ欲しい、って言っているんじゃないんだ、正確な日にちが知りたいだけ」ともおっしゃる、ごめんなさい、私たちこそ正確に知りたい

 コンピューター化された今時、在庫の有無はすぐにわかる、はず。都内の出版社から取り寄せるのにどうして1週間もかかるのか。ギモンである。

 しかし、フツーのことがフツーにいかないのには、業界の事情が働いている。何十年とフツーでないヘンが通ってきた内輪のコトを説明するには、一言では片づかない。独特の流通とコストの問題が絡んで、お客さまへの説明は、ごにょごにょと要領を得ないか、つっけんどんになるか。そんななか、いますぐ改善できるものとして著者は、出版社の人にたったひとつの「お願い」を綴っている。いとも簡単なことだ。

 書店が電話で注文した本を出荷する際、「客注品」には一目でそれとわかるように判子を押すなり、区分けをしてほしい。なぜかというと、店の補充品と顧客の注文品が混在される流通の現状では、客注の本がうっかり売り場に回り、棚に並んだその本がたまたますぐに売れてしまう。そんなことがしばしば。しかも、そんなときに限ってお客さんから、まだかとお叱りを受け、店はあたふたしてしまう。

 客注係と売り場担当と検品係と現場の人間が別れている書店では、この種のトラブルが絶えない。だから出版社に協力を要請してきた。けれども実現しない。なぜか。

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