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私が遭遇した「厚生年金制度」の摩訶不思議

  • ブルース・ホルコム

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2007年6月13日(水)

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 日本の年金制度は不思議なものだなぁとつくづく思います。もし悪政に対して風刺を書く作家でしたら、この事実をそのまま書けば十分面白い作品になるでしょう。

 私が個人的にその制度に出合ったのは、日本で株式会社を設立した1980年代半ばの頃でした。税理士から厚生年金制度に加入する義務があると言われたのです。

 最初、私は抵抗しました。外国人の私が果たして最終的に年金をもらえるのでしょうか? なぜ健康保険と年金はワンパックになっているのでしょうか? 素朴なたくさんの疑問を率直に問いかけました。

 今でも鮮明に記憶に残っているのは、当時の税理士の1つのコメントです。「ホルコムさん、厚生年金の掛け金はあなたのお金ではないのです。それは今の年寄りの年金を払うためです。将来は若い人たちがあなたの年金を払います」。

 その当時は、外国人の権利が今よりももっと曖昧な時代だったので、気持ちとしては受け入れがたい話でした。少しの間抵抗を続けましたが、自分にとってこれは一種の税金なのだと理屈をつけて、自分の社員とその家族のために結局加入しました。

 加入してみて、経営者として感じたのは、会社が従業員の厚生年金の掛け金と同じ金額を負担する義務は大変だなぁということでした。その後、世の中では個人の掛け金は上がる一方でした。

 その結果、会社の拠出率もぐんぐん上がったので、零細企業においては会社負担分が苦しくなってしまい、滞納の果て、不法に厚生年金制度から脱出した会社もたくさんあるはずです。また、義務づけられているのにそれを無視して、はじめから厚生年金制度に加入しない会社も増えたことでしょう。

 次に私が日本の厚生年金制度にぶつかったのは、母国オーストラリアで銀行へ融資を申し込んだ時でした。日本で積み立てた年金の合計額を融資申込書に記入しなければならなかったのです。管轄の社会保険事務所や、その他のたくさんの窓口に問い合わせました。

 いくら聞いても、その答えは「よく分かりません」あるいは「その計算は複雑なので、普通はその情報は提供できません」。毎回ぐるぐるとたらい回しにされた揚げ句、ほとんど答えらしい答えは出てきませんでした。

コメント10件コメント/レビュー

 私も含めて日本人はこの問題に関して本当に怒っていると思います。でも、一体どういう形でこの怒りを表せばいいのか、それがわからないのだと思っています。 この国の与党を変えても、本来責任を取るべき役人を替えたり、システムを変えたりできるわけではありません。本当はどうしたいのかを知っているのに、そのための手段がわからない。だから、鈍いように見えるのではないでしょうか?(2007/06/13)

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いただいたコメント

 私も含めて日本人はこの問題に関して本当に怒っていると思います。でも、一体どういう形でこの怒りを表せばいいのか、それがわからないのだと思っています。 この国の与党を変えても、本来責任を取るべき役人を替えたり、システムを変えたりできるわけではありません。本当はどうしたいのかを知っているのに、そのための手段がわからない。だから、鈍いように見えるのではないでしょうか?(2007/06/13)

私はまだ28歳と若い世代なので年金問題について、無頓着な一面が確かにありました。実際この記事を見てから、自分の給与明細を見ると、実に年金関連だけで給与の10%以上が天引きされていることに気づきました。年収300万ちょっとの私にとってはかなりの痛手だと、改めて痛感します。若い世代ももっと声を大にして訴えるべき問題だと思います。(2007/06/13)

ご指摘ごもっともですね。国民や民間企業に対する対応は厳しく、官は封建時代のお上意識で、その伝統がしっかりと受け継がれているのです。リゾートホテルのグリンピアで2000億円も無駄にした。しかも小田原グリンピアでは最上階の最上級ルームは一般には利用させず、政府高官だけだったらしいのです。どこまで腐っているか、言いようがありません。かつて地方公務員は4月1日退職とした、なぜなら4月1日付で昇給があり昇給した額に応じて退職金が支給されたためです。ただ誤解して欲しくないのは、すべての公務員が、杜撰でやる気がなくてでたらめをやっているわけではない、殆どの人は使命感を持って一生懸命取り組んでいる。しかし、組織や制度が悪いこと、ごく少数の大悪人、こんなやつに限ってえらくなっている、これが後で取り返しの付かない大問題に繋がっているのです。今後は筆者が指摘したような問題の早期発見と早期の対応以外には対策はないものと考えます。民主党が早めに年金問題を指摘しても自民党は無視して遅らせてしまった、このようなことは絶対に起こしてはならないと思います。国を良くしましょう、日本の国が世界に誇れるすばらしい国にしましょう、そのために一人ひとりが襟を正し、厳しく監視をして行きましょう。(2007/06/13)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長