2012年2月14日(火)
2009年9月30日 日本映画がムンムンでギラギラだった時代〜『ロマンポルノと実録やくざ映画』樋口 尚文著(評:栗原 裕一郎) 平凡社新書、900円(税別) …一般的には「邦画冬の時代」とされがちな70年代だが、十分な予算や撮影準備も確保できない状況のなかでの試行錯誤は、映画という表現の可能性を、ある面では押し広げたと見ることもできるのではないか…
2009年9月28日 「山田選手はかなり練習させられていたらしいよ」の述語を説明できますか?〜『日本語という外国語』荒川 洋平著(評:清田 隆之) 講談社現代新書、740円(税別) …後半になるほどディープな日本語解析が試みられ、巻末には教師を目指すためのブックガイドまで掲載されている。生徒に噛み砕いて伝えるためには、教える立場の者は、日本語を感覚的ではなく論理的に理解していなけ...
2009年9月25日 日本がアフガンでなすべきことは?〜『平和構築』東 大作著(評:山岡 淳一郎) 岩波新書、780円(税別) …一方で、和解に応じた兵士や司令官には「職業訓練」や「経済支援」を行い、「戦う者」から「社会で生きる者」へのアイデンティティの転換を図ることが求められている。その役割が担えるのは「日本」だと著者は説く...
2009年9月18日 勝間和代も香山リカも、助けちゃくれない〜『しがみつかない生き方』香山 リカ著(評:朝山 実) 幻冬舎新書、740円(税別) …一度目指した勝間和代という山を、途中で下山するのは容易ではない。努力が足りないのではない。わたしが悪いんじゃない。登りきれない理由を見極めて、すっきりしたい。香山さんは、そんな「カツマー」たちの救い...
2009年9月16日 カネだけ出しても見返りはない〜『国連安保理と日本』白川 義和著(評:加藤 亨延) 中公新書ラクレ、740円(税別) …外交は情報量がものをいう。現在、日本は安保理内、非常任理事国のひとつ(任期は2010年まで)だ。重要な国際問題の多くにふれられる安保理のメンバーでいることは、日本外交にとって計り知れない恩恵をもたら...
2009年9月14日 「伝える」ために必要なのは「伝わらない」体験〜『コミュニケーション力を引き出す』平田 オリザ・蓮行著(評:朝山 実) PHP新書、740円(税別) …演劇とは無縁のビジネスマンたちを真剣にさせようというのだから、意表をつく工夫が必要なことはわかる。お手本として、蓮行さんの仲間の劇団員たちが披露するのは、新商品の企画会議の様子を切り取ったもの…
2009年9月11日 公共交通を便利にするのは「高速化」「民営化」だけじゃない〜『時刻表に見るスイスの鉄道』大内 雅博著(評:近藤 正高) 交通新聞社新書、800円(税別) …列車のスピード自体はあまり速くないにもかかわらず、〈スイスの鉄道は短時間で移動できるという印象がある〉と著者は書く。〈なぜかといえば、(中略)待ち時間が少ないようにダイヤを組んで列車を走らせているか...
2009年9月9日 モテる要介護者ってどんな人?〜『介護漫才』貝谷 嘉洋著(評:大塚 常好) 小学館101新書、700円(税別) …要介護者が自立心を持つとコミュニケーションがスムーズになる。また、障がいも軽くなる、あるいはその進行が遅くなる。同時にヘルパーの幸福感も高まり、負担も軽減する。すると社会全体が負うコストは安くなる…
2009年9月7日 「怖いもの見たさ」の客を引きつけるコツ〜『歌舞伎町・ヤバさの真相』溝口 敦著(評:尹 雄大) 文春新書、770円(税別) …恐いイメージがあっても、すべての遊客に暴力が振るわれないのは、「街が持つ良識のせいではなく、経済性からである」。ぼったくりや因縁つけがたまに行われる程度ならば、危なさのイメージは、怖いもの見たさで街...
2009年9月4日 休みはない、キツい、儲からない。それでも…〜『農民になりたい』川上 康介著(評:朝山 実) 文春新書、690円(税別) …〈四〇年近く生きてきて、農業に就きたいと思ったことは一度もない〉本書はこんな著者の独白ではじまる、「農民」に転職した人たちのルポルタージュ集で、農業をやりたいとは思ってない人間が聞き手という、この距...
2009年9月2日 裁判員になる前に読め! 死刑と無期の境目は?〜『私が見た21の死刑判決』青沼 陽一郎著(評:長嶺 超輝) 文春新書、800円(税別) …社会的な格差は、刑罰の差に繋がる。そこに、憲法で保障されたはずの「法の下の平等」は見あたらない。裁判員制度が始まった日本でも、そんな残酷な世の中がやってくることを覚悟しなければならないと、著者は警鐘...
2009年8月31日 「見えないモノのざわめき」に声をあたえる者〜『琵琶法師』兵藤 裕己著(評:栗原 裕一郎) 岩波新書、980円(税別) …『平家物語』を語る盲僧というイメージが強い琵琶法師だが、『平家物語』成立以前から存在していた。また、後年になると『平家物語』は一部の特権層に独占され、下級の琵琶法師は演奏を禁じられてしまう…
2009年8月28日 政治ではなく、組合から組み立て直すべき〜『新しい労働社会』濱口 桂一郎著(評:荻野 進介) 岩波新書、700円(税別) …正社員と非正規労働者の格差を縮小していくと、正社員の特権=年功賃金が担ってきた生活保障機能が破壊されることになるから、子供の養育費や教育費を社会的に負担する公的給付システムが必要となる…
2009年8月26日 原発幕藩体制を変えられるか?〜『日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す』飯田 哲也・田中 優・筒井 信隆・吉田 文和著(評:山岡 淳一郎) 新書y、740円(税別) …日本ではいまだに「自然エネルギーは高コストで、不安定。役に立たないオモチャ」と見下す人が少なくない。なぜだろう? オバマは瀕死の米国経済を救うためにオモチャに投資をしているというのだろうか…
2009年8月24日 「メタボ」に隠された財源確保の狙い〜『命の値段が高すぎる!』永田 宏著(評:根本 由也) ちくま新書、740円(税別) …小泉医療改革の本懐は、質の高い医療の実現ではなく、増え続ける「医療費の負担配分」または「医療費の抑制」という2つの側面しかないというわけだ。その裏には「国民皆保険の堅持」という国(特に厚生労働省)の...
2009年8月21日 「ジャーナリスト」のみなさん、恥を知れ!〜『秘密とウソと報道』日垣 隆著(評:朝山 実) 幻冬舎新書、740円(税別) …〈××容疑者は渋谷区に事務所を開業しているという〉こんな新聞記事を目にするたび、日垣氏はなんじゃこれはと立腹してきたという。オイオイ「という」は余分だろう、それぐらい自分で事実かどうか確かめんかい!...
2009年8月19日 身近な植物がなぜ叩かれる?〜『大麻ヒステリー』武田 邦彦著(評:加藤 亨延) 光文社新書、740円(税別) …本書は現在の大麻問題に一石を投じようと試みてはいるものの、肯定の決め手となる議論は提示できなかった。しかし、社会の発展は何事も安易に決めつけず、常に「なぜ?」と問いかけることからはじまっていく…
2009年8月17日 もと猿岩石、有能な人に好かれるコツを語る〜『嫌われない毒舌のすすめ』有吉 弘行著(評:清田 隆之) ベスト新書、752円(税別) …本書は毒舌キャラによって返り咲いた著者の「成功哲学」とも読める内容なのに、自慢や啓発のニオイは薄く、嫌みがない。これすらもセルフプロデュースの一環だとしたら、自分もまんまとたらし込まれていることにな...
2009年8月10日 いちばん怖いのは、実は家族だ〜『身内の犯行』橘 由歩著(評:朝山 実) 新潮新書、720円(税別) …しかし、身内であるからこそ、発火点は極端に低くなるというのもたしかだと思う。こんなに身近にいるのに、わかってくれてもいいのに、なぜ理解してくれないのかという苛立ちがそうさせるのだろう…
2009年8月7日 あえて、犯人探しをしてみよう〜『資本主義崩壊の首謀者たち』広瀬 隆著(評:山岡 淳一郎) 集英社新書、720円(税別) …昔、「責任者出て来い!」とやたらと叫ぶ漫才師がいた。本書には金融腐敗の責任者の顔がずらりと並んでいる。それで溜飲を下げることはできる。しかし……では、今後、日本で生きるわれわれはどこを目指せばいいの...
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