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自己責任で判断する真の大人として生きる

曽野綾子(その あやこ)―― 作家 ~後編~

  • 大熊 文子

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2007年6月14日(木)

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NBオンライン: これまでおいでになった国は100以上だそうですが、海外にいらっしゃる目的、楽しさはなんなのでしょう。

曽野: 私が1972年に立ち上げましたNGO(非政府組織)の海外邦人宣教者活動援助後援会(JOMAS)には、年間1億円程の善意による寄付があるんです。それを、途上国に長年住み続けて活動している日本人の神父と修道女たちを援助するために使っております。学校や病院の建設時には申請通りのものができているか、必ず私自身がポケットマネーで現地に行って、この目で見て監査することにしているんです。

 海外に参りますのは、こうした仕事上の任務ではありますが、別の意味では、私自身が「人が生きている“現場”」に立ちたいと願っているからでもある。人々のごく一般的な生活の現場を見たくて、わざわざ出かけていくんです。旅は、私の人生の一部なのですよ。

―― 寄付金の使途については、ご自身で監査をなさる必要があるんですね。

作家、曽野 綾子氏

作家、曽野 綾子氏

曽野: 病院建設資金を拠出したとしますでしょう。現地に行った時には、「これを院長に日本からお持ちしたんだけど、先程、お渡しするのを忘れてしまって。お宅に直接お届けしたいので家を教えてください」と言って、わざと院長の家を見に行くんです。大きくて新しい家だったら怪しい。着服していますね。外国では、途中で義援金がもれ盗まれることが珍しくないのです。だから、管理を徹底しないと。

 日本という国は国民のみならず政治家までが、ほんとにナイーブでいらっしゃる。口では「建前と本音がある」とおっしゃるんだけど、大金を援助すればアフガニスタンにしろ、イラクにしろ、それが有効に使われるとお考えのようです。

 政治家は、ご自身で海外援助の現場に立つことがないので、どういう訳だかお金が途中で「消えてしまう」ということが想像できないんでしょうね。国内の泥棒に対しては防止策をお考えですが、世界中の“泥棒らしからぬ地位”にある泥棒たちへの対処法をご存じないようです。

 必要な人に義援金を渡したいのに、いろんなところから手が出てきて、その人の元へ届かない。こういうごく当たり前のことを日本人は気がつかないんだか、忘れている。だから、簡単に人を信じてしまう。

 世界中で当たり前と思われていることが、日本人には大きく抜け落ちている。そのことは、海外に出てみると顕著に現れてきます。

 私自身が疑り深い人間で、小心者なんでしょうけど、私に言わせれば世界中、泥棒だらけです。物事の裏を見ない人間は、組織の運営もできなきゃ、それこそ小説も書けません。

他人に期待せず、自己責任で生きる

―― 世界標準の常識を持つという観点から考えて、日本人は何をすればよいのでしょうか。

『日本人が知らない世界の歩き方』曽野 綾子著

『日本人が知らない世界の歩き方』曽野 綾子著

曽野: まずは、海外に出て、厳しさに触れてみることでしょうか。そこで自己責任において、物事を対処する。

 例えば、町に1つしかないホテルを予約しておいたのに、行ってみると「満室だ」と突っぱねられたとする。 どうしますか?

 1つは金の力を使う。怒ったってしょうがないから、パスポートの中に10ドル紙幣をはさんでレセプションの男性にちらつかせ、「いやあ、困ったな。キャンセルが出てこないかな」と言ってみる。そうすると突如キャンセルが出てきたりする。

 もう1つは権威の力を借りる。エジプトの田舎でそういう目に遭ったら、「いいのか、お前、そんなこと言って。俺はムバラクの友だちだ」と“はったり”を利かせる。相手は嘘だろう、と思うでしょうけど、同じ部屋を2人が狙っていて、何も言わない人と、ムバラクの友だちと言う人がいたら、「ムバラクの友だち」に部屋がいくでしょ。

 最後は、殿方の特権で色。カウンターに肘を突いて退屈そうにしているお嬢さんに「いやあ、残念だな。僕は、君みたいな美しい人とお茶を飲みたかったのに。部屋がないんじゃねぇ」と言ってみるの。そうすると、なんとかなるかも知れない。

 問題が生じた時に最終的に物事を解決するのは、力なんです。力がないものは解決しない。そういう体験を自らの責任でやってみる。

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