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仕事にかける情熱がすべてを支える

新藤兼人(しんどう かねと) 脚本家・映画監督~前編

  • 大熊 文子

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2007年6月21日(木)

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95歳、老いても衰えぬ仕事への熱い思い

NBオンライン:夏に、原作・脚本を手掛けられた最新作『陸に上った軍艦』が上映されます。95歳の今も映画制作の最前線で活躍なさっていらっしゃいますね。

脚本家・映画監督、新藤兼人氏(写真:陶山勉)

脚本家・映画監督、新藤兼人氏(写真:陶山勉)

新藤:僕が歳をとっているから、よく「何のために生きているんですか」と聞かれるんだが、僕は精いっぱい仕事をしたい、その一心で生きている。少しでも良い映画を作りたいと思ってこれまでずっと技術を磨いてきたんだ。

 「飯の種にできそうかな」という程度の思いでは、誰も「シナリオを書いてくれ」「映画を作ろう」とは、言ってくれない。だから、毎日命がけで仕事をしてきた。

 これは、サラリーマンでも同じで、手を抜いて仕事をしていたら「君は能力がないんじゃないか」と言われて、職場から脱落することになる。朝から満員電車に乗って、馬が合わない同僚とも仲良くする。かといって他人におべっかばっかり言っていたんじゃ勤まらない。

 脚本家とか映画監督にかかわらず、人は、生きていく以上は、仕事をして稼がなければならない。仕事のみならずすべてのことに対して一生懸命、誠意をもって生きなければならないようになっている。

 僕は、これまで映画を47本作り、他人から依頼されてシナリオを240本程書いた。自分から「シナリオを書かせて下さい」と言ったことは一度もない。「指名されて、仕事がくるようでなけりゃシナリオライターとは言えないんだ」と若い人には言っているが、「新藤君に書いてもらったらうまくいくんじゃないか」と僕の技術を信頼してもらっているから依頼が来るわけだ。“頼まれて書いている”ことは、仕事をする時の誇りになっている。

 例えば、2件のラーメン屋AとBが至近距離にあったとしよう。Aは、Bよりおいしいラーメンを作りたいと思っている。客の期待に答えなければ、客は、Bへ行ってしまうんだから。それで、おいしいラーメンを作るためにAは日夜努力して、技術を高めている。

 ラーメンは大衆的な食べ物であるが、どの店の味も違う。どのラーメン屋も「俺が作るのは、世界に1つしかない独特のラーメンだ」と主体性を持っている。こんなふうにすべての人間は、個々の意思をもって生きているから面白い。

――95歳の今も現役として活躍する大先輩として、定年退職を目の前にした団塊の世代にアドバイスをいただけますか。

(写真提供:近代映画協会)

(写真提供:近代映画協会)

新藤:退職で第二の人生が始まるのではないんだ。会社を辞めて個人になっても、これまで培った技術にエネルギーを注いで人生の続きを作っていかないと。

 そんなことを言うと、95歳で仕事をしている僕のような者は特別だと言われるかもしれない。だが、「お金をあげるから、じっとしていて下さい」と言われても幸福に思う人なんかいない。それでは、死に体になってしまう。

 僕自身は年を重ねて経験が豊富になり、蓄積されたエネルギーを次々に発散することで、仕事の腕が上がってくると思っている。

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