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まっすぐに見ているか、まっすぐに聞いているか

  • 荒瀬 克己

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2007年6月22日(金)

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 5月末に出たある雑誌で教育特集が組まれた。堀川高校のことも書いてあった。取材を受けていたから、記事が掲載されるのは当然なのだが、その記事を読んで驚いた。まず、アタマにきた。次にガッカリした。そして反省し、最後に納得した。

 教育改革が、日本中で叫ばれている。各地の取り組みは様々だが、競争原理や市場原理の導入、というのが目立っている。学校はサービス業だから、お客である生徒や保護者に選ばれるべきだ、という考えがある。私は高等学校にいるので、このことについてはその通りだと思っている。高校は確かに選ばれる対象だから。

 それが義務教育、つまり小中学校にまで及ぼうとしている。学校選択制だ。実際すでにそうなっている地域がある。このことについては様々な議論があり、私の住む京都市では、教育長が導入しないと言っている。学校には、いわゆる勝ち組も負け組もつくらない、という考えだ。

確かにそういう言葉は使ったが…

 雑誌の教育特集には、小中学校の学校選択制を導入している地域で、教員が疲弊している状況が描かれていた。よって、教員の多くがその地域から出たいと願っていること、また、その地域に転勤になることを「島流し」のように言っていることが教員の言葉として書いてあった。

 ふうんそうか、と思いながら読んでいた。そして、堀川高校のことが書いてあるページに目をやって驚いた。学校選択制の導入されている地域の、どちらかというと元気のない教員たちと対照的に、教員が自分の力量をうまく発揮できて生き生きしている学校で、その見事な活性化術を操る校長として私のことが紹介されていた。

 これだけ言うと、それがなんでアタマにくるの、と思われるだろうが、その私のやり方(やり口と言うべきか)が、実に巧妙でずるそうなものとして描かれているのである。なんともふてぶてしく、人を馬鹿にしたような、不遜で狡猾で裏をかく校長、といった書かれ方なのである。

 それ、その通りじゃないの、と言われたら身も蓋もないが、実態はそこまでひどくない。しかも、カギカッコで書かれた私のセリフが妙な関西弁なのだ。まるで、丹波屋か越後屋か河内屋か、なんでもいいけど、「おまえも悪じゃのう」みたいな書きぶりなのだ。

 取材を受けた際に、そう言ったか、言わなかったか、と尋ねられたら、確かにそういう言葉は使ったと答えるしかない。ただし、文脈が違う。あるいは省略があるためにニュアンスが異なる。

 あいつ(取材に来た記者のことである)、はめたな、と舌うちしたときに、養老孟司先生のお言葉を思い出した。

 取材なんかで、そんなふうに言った覚えはないとか、そういうつもりで言ったんじゃないとか言う人がいますが、そんなことは意味がない。相手が受け取った通りに言ったんだ、むしろそう思うべきだ。そんな意味の言葉だったと思う。

コメント2件コメント/レビュー

三歳の子供の親としては、考えさせられました。私は自分自身の価値観を子供に押しつけているような気がします。もっと子供自身の考えを受け入れてやらなければいけません。親の成長なくして、子供の成長なしですね。(2007/06/22)

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いただいたコメント

三歳の子供の親としては、考えさせられました。私は自分自身の価値観を子供に押しつけているような気がします。もっと子供自身の考えを受け入れてやらなければいけません。親の成長なくして、子供の成長なしですね。(2007/06/22)

最後の「子どもたちの時間は刻一刻と過ぎていく」に件は、企業における人材育成にも共通する部分でしょう。みんな分かっているはずなのに目先の短期目標達成に汲々として力を注げないのが現状でしょう。しっかりやっていかないと民も学もダメになりますね。ところで、、、冒頭の「ある雑誌」は正しく本コラムの大元日経ビジネスだと思いますが、ご安心あれ。少なくとも、私はあの記事を荒瀬さんが気にされているようには読めませんでしたよ。ご自身で指摘されているように穿ちすぎだと思いますよ(笑)。(2007/06/22)

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