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絵画の原点を思い出させる
笹口数の「影」の作品

2007年6月25日(月)

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清澄白河の倉庫ビルにギャラリーが集まる

 ひと昔前まで画廊と言えば銀座に集中していた。もちろん今でも銀座が日本一の画廊街であることに変わりはないが、現代美術系のギャラリーに限れば銀座離れが進んでおり、特にここ2~3年は東京の清澄白河、六本木、神楽坂辺りに若手画商たちが集中する傾向にある。今回訪れたZENSHI(ゼンシ)も、地下鉄清澄白河駅から7分ほど歩いた倉庫ビルの1画に店を構える新興ギャラリーだ。ちなみにZENSHIとは、オーナーの三上善司氏の名前からとったもの。

 この倉庫ビルには小山登美夫ギャラリーやシュウゴアーツなど6軒のギャラリ-が入っている。なぜこんな下町の倉庫ビルに現代美術のギャラリーが集中しているのかというと、もともと隣駅の門前仲町に佐賀町エキジビットスペースという伝説的なギャラリーが入居する昭和初期のビルがあり、そこに小山氏やシュウゴアーツの佐谷周吾氏が部屋を借りていたのが始まり。これが老朽化で再開発されることになったため、隅田川をはさんだ茅場町の倉庫に移転し、4軒ほどでギャラリーを再開。ところがそこも数年で追い出され、2005年に現在の清澄白河の倉庫ビルに移って来たというわけ。ただし三上氏はここに店を開く前は六本木のギャラリーに勤めていたので、それ以前の歴史とは無縁だが。

 ところで、下町の倉庫をギャラリーに改装するのは70年代からニューヨーク辺りで流行した現象だ。広くて天井も高く、巨大化する現代美術の作品に対応できるうえ、家賃も比較的安いのが利点だ。だが、ZENSHIは初めての出店ということもあって、この倉庫ビルの中では一番狭い部屋を借りている。

キャンバスに影によって描かれた記号や線

笹口数「white」展の展示風景

笹口数「white」展の展示風景

 さて、そのZENSHIに足を踏み入れると、真っ白い展示空間に真っ白い額縁をつけた真っ白い紙とキャンバスの作品が10点ほど並んでいる。笹口数の「white」と題する個展だ。

 近寄ってみると、記号や地図や輪郭線が紙やキャンバスに描いてあるように見えるのだが、どうも様子がおかしい。さらによく見ると、記号や線はキャンバス上に描かれているのではなく、額装された透明アクリル板の表面に彫られていて、その影が背後の白いキャンバスに映し出されていることが分かる。

 つまり、我々が見ているのはアクリル板に彫られた傷の影であり、紙やキャンバスは白いままなのだ。言い換えれば、本来画面を保護するための無色透明のアクリル板にこそ作品が宿り、作品を宿すべき画面は単なるスクリーンと化している、ということだ。このように影を要素にしているため、照明を当てなければこの作品は見えてこないし、光源を複数にすれば記号や線がダブって見えることになる。

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